配信はいつ?Android 16の新機能と変更点まとめ
Yusuke Sakakura

Yusuke Sakakura
ブログメディア『携帯総合研究所』の創設者・運営者です。記事の執筆をはじめ、各キャリアやメーカーへの取材、素材の撮影も行なっています。システムエンジニアとしての経験を活かし、HTML・CSS・JavaScript・PHP・Pythonを用いたサイトデザインやテーマの構築を行っています。また、4キャリアの料金比較ができるシミュレーターの開発も担当しています。

GoogleがAndroid 16を2025年第2四半期に配信することを正式発表しました。
すでに開発者向けにベータ版が公開されており、いち早くAndroid 16に触れることができます。
この記事ではAndroid 16の新機能や変更点、対応機種、配信時期などをまとめています。Android 17が正式公開されるまで情報を随時更新します。
Android 16の正式公開はいつ?
これまでAndroidの最新バージョンは毎年8月から10月に正式配信されていましたが、Android 16は第2四半期(4月から6月)に時期を早めてリリースされる予定です。

Googleは配信時期を早める理由について、新機種の発売時期に合わせるためと案内しています。これにより多くの機種がより早くアップデートを入手可能になるとのこと。
またAndroid 16では、動作に大きな影響を与える開発キット(SDK)のリリースが1回から2回に変更されます。第2四半期にリリースされるバージョンは、アプリに影響を与えるような大規模な動作変更を含むメジャーリリースで、第4四半期にリリースされるバージョンは機能アップデートや最適化、バグの修正など小規模なマイナーリリースになります。
これまでどおり四半期ごとのリリースも行われ、第1四半期と第3四半期には、品質の確保を目的としたアップデートが提供されます。
2024年12月時点でデベロッパープレビューが公開されており、Android 16にいち早く触れることができます。2025年1月には、より手軽に導入できるベータ版が公開される予定です。
バージョン | 配信時期 | アップデート概要 |
---|---|---|
デベロッパープレビュー1 | 11月 | 初期ビルド。開発者のフィードバックに重点を置き、一部の新機能やAPI、動作の変更が含まれています |
デベロッパープレビュー2 | 12月 | 機能、API、動作変更を追加したインクリメントアップデート |
ベータ1 | 1月 | より手軽に導入できるベータ版の初期リリース |
ベータ2 | 2月 | ベータ版の品質インクリメントアップデート |
ベータ3 | 3月 | 最終的なAPIと動作など、最初のプラットフォーム安定版。Google Playストアでのアプリ公開も可能に |
ベータ4 | 4-5月 | 最終テストのための最終版ビルド |
正式版 | 4月から6月 | メジャーリリース。AOSPとエコシステムにAndroid 16を配信 |
正式版 | 10月から12月 | マイナーリリース。機能アップデートや最適化、バグの修正 |
Android 16の対応機種
現在案内されているAndroid 16の対応機種は以下のとおりです。
Google Pixel | |
---|---|
Pixel 9 / 9 Pro / 9 Pro XL / 9 Pro Fold | DP配信済み |
Pixel 8 / 8 Pro / 8a | DP配信済み |
Pixel Fold | DP配信済み |
Pixel Tablet | DP配信済み |
Pixel 7 / 7 Pro / 7a | DP配信済み |
Pixel 6 / 6 Pro / 6a | DP配信済み |
お菓子なコードネームは“バクラヴァ”

Androidには歴代のバージョンほぼすべてにスイーツにまつわるコードネームがアルファベット順で付与されています。
一般的にコードネームは内部的なものですが、Androidは全面に打ち出して“K”にあたるAndroid 4.4では、KitKatとコラボレーションした世界的なプロモーションが展開されました。
Googleはさまざまな問題を理由に、Android 10以降はコードネームを全面に打ち出すことはやめていますが、内部コードそのものは今も存在しています。
法則に従えば、Android 16には“W”にあたるコードネームが付くはずでしたが、現時点では“Baklava”であることが確認されています。つまり、アルファベットがリセットされてBに戻るようです。
Baklava(バクラヴァ)は、中東や地中海地域を代表する伝統的なデザートです。フィロペストリーと呼ばれる非常に薄い生地の層を重ね、その間にナッツ(ピスタチオやクルミなど)を挟み、オーブンで焼き上げた後、蜂蜜やシロップをかけて仕上げます。甘さとナッツの風味が特徴です。 メリットとして、エネルギー源として良質なナッツ類を摂取できること、特別な時間や祝いの席に華を添えるデザートとして楽しめることが挙げられます。しかし、高カロリーなため、食べ過ぎには注意が必要です。初心者でも家庭で比較的簡単に試せるレシピが多くあります。
Androidの歴代コードネーム
バージョン | コードネーム | 由来のスイーツ |
---|---|---|
1.0 | ー | ー |
1.1 | ー | ー |
1.5 | Cupcake | カップケーキ |
1.6 | Donut | ドーナツ |
2.0-2.1 | Eclair | エクレア |
2.2 – 2.2.3 | Froyo | フローズンヨーグルト |
2.3 – 2.3.7 | Gingerbread | ジンジャーブレッド(クッキー) |
3.0 – 3.2.6 | Honeycomb | 蜂の巣 |
4.0 – 4.0.4 | Ice Cream Sandwich | アイスクリーム・サンドイッチ |
4.1 – 4.3.1 | Jelly Bean | ゼリービーンズ |
4.4 – 4.4.4 | KitKat | キットカット |
5.0 – 5.1.1 | Lollipop | ロリポップキャンディ |
6.0 – 6.0.1 | Marshmallow | マシュマロ |
7.0 – 7.1.2 | Nougat | ヌガー |
8.0 – 8.1 | Oreo | オレオ |
9 | Pie | パイ |
10 | Quince Tart(内部コード)Queen Cake(幻の外部コード) | クインスタルトクイーンケーキ |
11 | Red Velvet Cake | レッドベルベットケーキ |
12 | Snow Cone | かき氷 |
13 | Tiramisu | ティラミス |
14 | Upside Down Cake | アップサイドダウンケーキ |
15 | Vanilla Ice Cream | バニラアイスクリーム |
16 | Baklava | バクラバ |
ロック画面にUber Eatsの配達状況
Android 16では、ロック画面が強化され「ライブアップデート」が追加されます。
これは、iPhoneのライブアクティビティのような機能で、重要と判断された進行中のアクティビティが監視され、ライドシェアやデリバリー、ナビゲーションの進行状況がロック画面に表示されます。
つまり、スポーツの試合状況をリアルタイムに表示することはできませんが、Uber Eatsの配達状況はアプリが対応すれば表示される可能性があります。

埋め込みフォトピッカー
スマホにはプライバシー性の高い写真や動画が膨大に保存されており、アプリが不正にアクセスできないようにAndroid 13では新しいフォトピッカーが導入されました。
新しいフォトピッカーを導入したアプリでは、利用者が許可した写真や動画にしかアクセスできず、すべての写真や動画にアクセスするには利用者の許可が必要です。
ただし、開発者の対応が必要なため、導入は進んでおらず、InstagramやX(旧Twitter)も独自のフォトピッカーを導入しています。
開発者が導入しない理由の1つは、オーバーレイ形式で表示されるため、インターフェースが分断されることにあります。
そこでAndroid 16では、見た目に違和感のないように埋め込みできるフォトピッカーが提供されます。
大画面の最適化

今回も大画面の最適化が実施されます。
現行のAndroidでは、大画面に最適化されていないアプリでは、左右に黒い余白が表示されます。ユーザーは設定を変更することで、強制的に全画面表示にすることも可能ですが、アプリごとの変更は面倒な作業です。
Android 16では、横幅が600dpより大きな画面を搭載するデバイスかつAPIレベル36をターゲットにビルドされたアプリを起動する場合、画面の向きやサイズ変更を制限するAPIがスルーされ、強制的に全画面表示になります。
開発者は拒否することもできますが、来年公開が予想されるAndroid 17でAPIレベル37をターゲットにビルドされたアプリおいては拒否もできなくなります。
なお、この変更はアプリのみが対象でゲームは対象外です。
Gemini:複数のアプリを横断した操作に対応
Geminiは、2つのアプリを連携させて特定の機能を実行できる機能をサポートします。
例えば、お気に入りのチームの試合日程をカレンダーに追加する場合、Chromeで検索してから手入力でカレンダーアプリにイベントを追加するか、カレンダーファイルのインポートが必要でしたが、これからはGeminiに「レイカーズの今シーズンの試合日程をカレンダーに追加して」と頼むだけです。

すでに、Galaxy S25シリーズが対応していますが、今後、別のAndroidも対応する予定です。
声でGeminiと会話できる「Gemini Live」では、声だけではなく画像やYouTube動画を入力できるマルチモーダルに対応します。画面共有やライブ動画ストリーミングなど、Project Astraの機能も今後数ヶ月以内に導入予定です。
その他
- カメラ
- Camera2 APIに新しいハイブリッド自動露出モードが追加。完全なマニュアルと自動露出しかない現行の仕様がより柔軟に
- JPEG形式に加えて、HEIC形式のウルトラHDRがサポート追加。AVIFサポートにも取り組み
- 20%少ない容量で知覚的なロスレスビデオ品質を実現するAPVコーデックの対応
- 操作
- 予測型戻るアニメーションが3ボタン操作に対応
- 健康記録
- FHIRフォーマットで威力記録の読み書きが可能に
- 言語と地域
- 米国英語にしながらメートル法の設定が可能に
- エッジトゥエッジ表示の義務化
- Android 15でデフォルトになりつつも回避方法があったエッジトゥエッジ表示。回避用のAPIが廃止になり、完全標準に
- デバイス追跡の向上
- 縦書きテキストのサポート
正式発表されていない新機能と変更点
ここではGoogleから正式発表されていないものの、デベロッパープレビューやベータ版、ソースコードから確認された機能をまとめています。
将来的にGoogleから正式発表されたり、3ヶ月に一度の機能追加アップデートで追加されたり、最終的にリリースされないこともあります。
複数のBluetoothデバイスに音声共有
Android 16 DP1にて、一度に複数のBluetoothデバイスにオーディオを共有できる「音声の共有」機能の存在が確認されています。
これはBluetoothの新機能「Auracast」を利用したもので、1台のデバイスから送信された音声を複数のデバイスで受信できる機能です。
例えば、同じ音楽を別々のイヤホンで楽しんだり、無音のテレビの音声をそれぞれのイヤホンで楽しむことができます。
なお、オーディオ共有はAuracastに依存することもあって、対応機種はPixel 8aを除くPixel 8以降のモデルに限定されるようです。利用するには、Bluetooth LE Audioに対応したイヤホンが必要になります。
通知のクールダウン
Android 16 DP1にて、通知のクールダウン機能の存在が確認されました。
短時間の間に通知が多く届いた場合に、最長2分間、デバイスが音量を下げて通知を最小限に抑える機能です。
例えば、同じアプリから連続で通知が届いたときに音量を下げることで、ストレスにつながるような通知音と振動の連続を回避できます。
なお、通話やアラーム、優先度の高い会話は影響を受けません。
機密性の高い通知をロック画面に表示しない
スマホを指紋認証や顔認証で保護するのが常識になってから長期間が経過しましたが、なかには通知をすべてロック画面に表示して台無しにしている人も多いかもしれません。
そんなときにAndroid 16 DP1で確認された、OSが機密性が高いと判定した通知を非表示にするオプションが役に立ちます。
機密性が高いと判断した通知には、ログイン時に必要なワンタイムパスワードなどが含まれますが、詳細はGoogleの発表を待つ必要があります。
その他
- Wi-Fi
- Wi-Fiに接続するための共有QRコードのデザインを変更
- ハードウェアキーボード
- キーの繰り返し入力を無効化するオプションが追加
- プライバシーダッシュボード
- 過去24時間表示を過去7日表示に切り替え可能に
- ディスプレイ
- 寝室などで役立つさらに暗く表示するオプションが追加
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