iOS 18の新機能・変更点まとめ
Yusuke Sakakura

Yusuke Sakakura
ブログメディア『携帯総合研究所』の創設者・運営者です。記事の執筆をはじめ、各キャリアやメーカーへの取材、素材の撮影も行なっています。システムエンジニアとしての経験を活かし、HTML・CSS・JavaScript・PHP・Pythonを用いたサイトデザインやテーマの構築を行っています。また、4キャリアの料金比較ができるシミュレーターの開発も担当しています。

Appleが日本時間9月17日にiOS 18を配信しました。
iOS 18では、ホーム画面の自由度が向上し、アプリの間に空白を開けられるようになりました。さらに、ボタンの配置を自由に並べ替えできるコントロールセンター、探したい思い出を素早く見つけられる写真アプリ、そしてAIを活用して日常をより便利にするApple Intelligenceなど、多くのアップデートが含まれています。
この記事では、iOS 18の新機能や変更点を画像付きでわかりやすく紹介します。最新情報は随時更新していくので、ぜひチェックしてください。
なお、Apple Intelligenceについては、以下の記事で詳しくまとめています。
iOS 18の配信時期はいつ?

iOS 18は日本時間9月17日2時に正式リリースされました。
現在の最新バージョンはiOS 18.3。iOS 18.4では、ついにApple Intelligenceが日本語に対応します。
正式配信までのタイムライン
配信日時 | バージョン | 概要 |
---|---|---|
2024年6月11日 | iOS 18 発表(WWDC2024) | ー |
2024年6月11日 | ベータ版 提供開始 | ー |
2024年7月16日 | パブリックベータ版 配信開始 | ー |
2024年9月17日 | iOS 18 正式配信 | ー |
2024年10月4日 | iOS 18.0.1 配信開始 | タッチ操作できなくなる不具合など修正 |
2024年10月29日 | iOS 18.1 配信開始 | Apple Intelligenceの提供開始 |
2024年11月20日 | iOS 18.1.1 配信開始 | 重要なセキュリティアップデート |
2024年12月12日 | iOS 18.2 配信開始 | SiriにChatGPTが統合 |
2025年1月7日 | iOS 18.2.1 配信開始 | 重要なバグの修正 |
2025年1月28日 | iOS 18.3 配信開始 | 計算機アプリで等号(=)をタップすると、最後の数式の演算を繰り返しできるように |
2025年1月28日 | iOS 18.3.1 配信開始 | 重要なバグの修正 |
iOS 18の対応機種

iOS 18にアップデートできる対応機種は以下のとおりです。
iOS 17を利用しているiPhoneであれば、すべての機種をiOS 18にアップデートすることができます。
- iPhone 16e
- iPhone 16
- iPhone 16 Plus
- iPhone 16 Pro
- iPhone 16 Pro Max
- iPhone 15
- iPhone 15 Plus
- iPhone 15 Pro
- iPhone 15 Pro Max
- iPhone 14
- iPhone 14 Plus
- iPhone 14 Pro
- iPhone 14 Pro Max
- iPhone 13
- iPhone 13 mini
- iPhone 13 Pro
- iPhone 13 Pro Max
- iPhone 12
- iPhone 12 mini
- iPhone 12 Pro
- iPhone 12 Pro Max
- iPhone 11
- iPhone 11 Pro
- iPhone 11 Pro Max
- iPhone XR
- iPhone XS
- iPhone XS Max
- iPhone SE (第2世代)
- iPhone SE (第3世代)
iOS 18の新機能・変更点まとめ
iOS 18で追加される新機能や変更点をまとめました。
iPhoneが2007年に発売されてから変更されていなかったホーム画面の厳格な規制の廃止や、史上最大のデザイン変更となった写真アプリ、Apple Intelligenceは要注目のアップデートです。
ホーム画面の大幅刷新
これまで多くのルールで縛られていたホーム画面ですが、iOS 18では、より自由にアレンジできるようになります。
アプリアイコンを自由に配置

これまでのiPhoneでは、ホーム画面に配置するアプリアイコンを自由に配置することはできず、必ず左上から詰めていくルールがありました。
iOS 18では、ようやくこのルールが廃止されて、空白を設けて好きな場所にアプリを配置できるようになりました。
アプリアイコンの色を自由に変更可能に

アプリのアイコンは、これまでも開発者が用意したアイコンに変更することが可能です。
iOS 18では、利用者がアイコンの色を自由にアレンジできます。
ダークモードと連動した機能も用意されており、ダークモードがオンになったらアプリのアイコンを暗い配色に変更して、眩しさを軽減することができます。
ボタン配置を変えられるコントロールセンター
iOS 18の新しいコントロールセンターには「編集機能」と「グループ機能」が追加されました
ボタンの大きさと配置が変更可能に
新しいコントロールセンターで、画面左上の「+」ボタンをタップすると編集モードになります。
コントロールセンターに並ぶボタンの配置を入れ替えたり、ボタンの大きさを変えたり、ボタンを削除できます。

また、これまでは設定画面からボタンを追加する必要がありましたが、iOS 18ではコントロールセンターからボタンを追加できます。
グループ機能
新しいコントロールセンターには、グループ機能が導入されます。
これまでのように、画面の明るさや音量を変更できるページだけでなく、動画や音楽を操作できる「メディア」ページ、家電などを操作できる「ホームコントロール」ページを利用できます。
なお、グループは自由にアレンジできるため、ページを追加したり、デフォルトで用意されているページを削除することもできます。

各ページはコントロールセンターを上下にスワイプすることで切り替え可能。
コントロールセンターを表示する際に右上を下にスワイプしますが、そのまま下に引っ張り続けることで、一気にメディアやホームコントロールのページにアクセスできます。
ロック画面のショートカットを変更可能に

iPhoneのロック画面には、左下に懐中電灯、右下にカメラボタンが表示されています。
これらのボタンを長押しすることで、画面ロックを解除せずにカメラを起動したり、懐中電灯を点灯できます。
これまで「このボタンを変更したい」という声が多く聞かれていましたが、iOS 18でようやくカスタマイズが可能になりました。
変更できるボタンには、低電力モード、近くで流れている音楽の認識機能(Shazam)、機内モード、インターネット共有のオン/オフなどがあります。
また、ショートカットを利用して、よく使うアプリを起動することも可能。PayPayなどを登録しておくと便利かもしれません。
アプリのロックと非表示が可能に
iOS 18では、他人に見られたくないアプリをロックしたり、完全に表示にできる新機能が追加されました。
アプリにロックをかけると、起動前にFace ID/Touch ID/パスコードの入力が求められ、本人のみがアプリを起動できます。

さらに、アプリを非表示にすると、ホーム画面や通常のアプリライブラリには表示されず、アプリライブラリの最下部にある「非表示」フォルダに格納されます。
このフォルダを開くには、Face ID/Touch ID/パスコードの認証が必要で、ロックを解除したときだけアクセスできます。

写真アプリ、史上最大のデザイン変更
iPhoneで撮影した写真や動画が増えると、思い出を振り返るのが大変になります。
iOS 18では、そんな悩みを解決するために、写真アプリが史上最大のアップデートとなりました。
新しい写真アプリでは、画面下のタブを廃止し、シングルビューを採用。よりシンプルで直感的に写真を探せるデザインに生まれ変わりました。
ライブラリ
画面上部に表示されるライブラリでは、これまでに撮影した写真や動画をグリッド形式で確認できます。
目的の写真を素早く見つけるために、年別/月別のビューを使って特定の日付にジャンプしたり、スクリーンショットを非表示にすることで確認がスムーズになります。

コレクション
画面下部に表示されるコレクションでは、最近撮影した写真や動画、ピープルとペット、メモリー、旅行などがテーマごとに並びます。
最近撮影した写真や動画は、1日ごとに整理され、左右スワイプで日付の切り替えが可能。
新しい旅行セクションでは、旅の思い出を1か所にまとめ、一瞬で過去の旅行を振り返ることができます。さらに、家族や友だちとの旅行の写真と動画をまとめて共有することも可能です。

iPhoneの画面をMacにワイヤレス表示できる待望の機能

iOS 18とmacOS Sequoiaを組み合わせると、iPhoneの画面をMacに表示できる新機能「iPhoneミラーリング」が利用できます。
iPhoneの画面をMacに表示するだけではなく、Macのトラックパッド・マウス・キーボードで直接操作することが可能です。
さらに、iPhoneの通知がMacに表示され、例えば、LINEの通知をクリックすると、Mac上にLINEの画面が表示され、キーボードでメッセージの返信ができるといったシームレスな連携も実現します。
ミラーリングはBluetoothとWi-Fiを使用するため、完全ワイヤレスで利用可能。通信圏内であれば、少し離れた場所にあるカバンの中のiPhoneもMacからリモートで操作できます。
また、iPhoneとMacの間で写真や動画をドラッグ&ドロップするだけで簡単に共有できるため、ファイルのやり取りもよりスムーズになります。
iPhoneの画面を友だちとシェアできるSharePlay画面共有

iPhoneの操作方法を誰かに聞きたいのに言葉だけでは伝えにくい、逆に説明するのが面倒と感じたことがあると思います。
そこでiOS 18では、ビデオ通話アプリのFaceTimeの「SharePlay」を活用し、iPhoneの画面をリアルタイムで共有機能が追加されます。
このSharePlay画面共有を使えば、
- 自分の画面を友だちに見せながら、どのボタンを押せばいいのか教えてもらう
- さらに詳しいサポートが必要なときは、相手に操作を許可してリモートで直接操作してもらう
といったことが可能になります。iPhoneの使い方を簡単に相談できる、便利なサポート機能です。
Windowsでも使える「パスワード」アプリが登場
iPhoneをはじめとするAppleデバイスでは、iCloudキーチェーンを利用してパスワードを管理できます。
これまでは設定画面やパスワードの入力画面からアクセスする仕組みでしたが、メールアドレスを変更したり、パスワードを更新したいときに「どこから変更すればいいのかわからない」といった不便さがありました。

iOS 18で追加された「パスワード」アプリを使えば、Wi-Fi・アプリ・Webサイトのパスワード、認証コード、共有パスワード、Appleでサインイン、パスキーといったすべての認証情報を1つのアプリでまとめて管理できます。
これらのデータは、エンドツーエンドの暗号化とiCloudの同期機能によって、安全に保存されます。
- 使い回しや推測されやすいパスワードの検出機能
- 保存されたログイン情報の自動入力機能
このパスワードアプリは、iPhone、iPad、Mac、Apple Vision Pro、そしてWindowsで利用可能。Windows版は、iCloud for Windows アプリを通じて使用できます。
懐中電灯の細かなコントロールが可能に
ダイナミックアイランド対応のiPhoneでは、懐中電灯の光量や照射範囲を細かく調整できるようになりました。
懐中電灯を点灯すると、
- ダイナミックアイランドを上下に操作:光の強さを調整
- ダイナミックアイランドを左右に操作:照射範囲や距離を変更
といった直感的なコントロールが可能になります。
here's a quick demo of changing the width and brightness of the flashlight in iOS 18
recorded on macbook camera so…yeah https://t.co/FFt8ouASUY pic.twitter.com/BdlAEG1t3C
— Ostyn Hyss (@ostynhyss) June 10, 2024
ライブ留守番電話が日本語に対応

iOS 17で追加された「ライブ留守番電話」が、iOS 18でついに日本語に対応しました。
この機能を使えば、キャリアの留守番電話サービスに加入しなくても、留守番電話を利用できます。
さらに、メッセージがリアルタイムで文字起こしされるため、
- 画面を見ながら通話を受けるか判断できる
- そのまま放置して後で確認することも可能
といった使い方ができます。メッセージの内容は、同じApple IDでログインしているすべてのiPhoneで確認できます。
通常、キャリアが提供する留守番電話サービスは月額300円程度ですが、ライブ留守番電話に切り替えることで、年間3,600円程度を節約になります。
注意点はiPhoneが電源オフや圏外では利用できないことです。その場合、相手には「ただいま電話に出ることができません。」とガイダンスが流れて通話が終了するため注意が必要です。
フリックを断念した人へ、文字入力が気持ちいい「なぞり入力」
iOS 18では、新しい文字入力方法「なぞり入力」が追加されました。
なぞり入力は、最初の文字をタップしたあと、指を離さずに次のキーへすべらせることで、スムーズに文字を入力できる方法です。
例えば「こんにちは」と入力する場合、kをタップした後、o→n→i→c→h→i→h→aと指をすべらせて次々と文字を入力できます。

- 指をすべらせるだけでスムーズに文字入力できるため、特に長文入力時が快適
- QWERTY配列のキーボードに慣れているなら直感的に使える
- フリック入力のキー配列を覚えるのが苦手な人にもおすすめ
フリック入力と違い、すべてのキーが常に表示されているため、視覚的に迷わずに入力できるのも大きな特徴です。QWERTY配列のキーボードに慣れている人なら、すぐに使いこなせるはずです。
その他
- メッセージ
- Tapbackで吹き出しに表示されるアイコンがカラーに
- 絵文字やステッカーにも対応
- 予約送信に対応
- 太字、斜字、下線、取り消し線に対応
- 文字にエフェクトをかけられる新しいテキストエフェクト
- 衛星通信経由でのメッセージ送信。iMessageだけでなくSMSメッセージも
- RCS対応
- メール
- オンデバイスのカテゴリ分け機能
- レシートを集めて取引、SNS通知などのアップデート、マーケティング関連のプロモーションに振り分け
- 同じ送信元から届いたメールを集めたダイジェスト機能
- 特定の航空会社から届いたフライト情報のメールをまとめて確認できる
- マップ
- トレイルやハイキングルートを含む新しい地形図の追加
- 米国の63の国立公園などが対象
- オフラインマップやターンバイターンの音声案内、ハイキングルートの作成も
- ウォレット
- 電話番号やメールアドレスを共有することなく、2台のiPhoneを近づけるだけでApple Cashを使った送金ができる「Tap to Cash」
- オンラインでのApple Payの支払い方法が2つ増加
- イベントチケットのデザイン一新
- ゲームモード
- 特に長時間のセッションにおいて、バックグラウンド処理を最小限に抑えて、最高のフレームレートを維持
- AirPods Pro (第2世代)の音遅延を劇的に低減
- ワイヤレスゲームコントローラーの反応も飛躍的に向上。Bluetoothのポーリングレートを2倍に
プライバシー
- 連絡先の共有
- 連絡先へのアクセスをアプリに許可すると全員の情報がアプリに渡ってしまうが、iOS 18では許可する連絡先を限定できる
- アクセサリをペアリングする際にBluetoothやローカルネットワークへのアクセスを許可するとネットワーク上にある前デバイスがアプリに見えるが、iOS 18ではデバイスを保護しながらスムーズなペアリングを提供可能に
ベータ版のインストール方法
配信前のバージョンをいち早く利用できるベータ版のインストール方法は以下の記事で詳しくまとめています。
ベータ版には多くの不具合が含まれているため、日常的に使用しているiPhoneではなく、使っていないiPhoneで試すことをおすすめします。
また、ベータ版の画面や情報をSNSで共有することは、インストール時に同意する契約で禁止されています。
海外ではルールがあまり守られておらず、契約に同意しているはずのメディアや記者がベータ版の画面を投稿し、共有するケースも見られます。日本国内では違反したことで、SNSのアカウントが炎上した事例もあるため、注意が必要です。
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