Nothing Phone (3)とNothing Phone (3a)を徹底比較
Yusuke Sakakura

Yusuke Sakakura
ブログメディア『携帯総合研究所』の創設者・運営者です。記事の執筆をはじめ、各キャリアやメーカーへの取材、素材の撮影も行なっています。システムエンジニアとしての経験を活かし、HTML・CSS・JavaScript・PHP・Pythonを用いたサイトデザインやテーマの構築を行っています。また、4キャリアの料金比較ができるシミュレーターの開発も担当しています。

Nothingが約2年ぶりに上位モデルのスマートフォン「Nothing Phone (3)」を発表しました。
同じく今年発売された廉価モデルの「Nothing Phone (3a)」と、どちらを購入しようか頭を悩ませている人も多いかもしれませm。
本記事では両モデルを徹底比較し、どちらを購入すべきか詳しく解説します。
Nothing Phone (3)とPhone (3a)の違いを比較
Nothing Phone (3) | Nothing Phone (3a) | |
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価格 | $799 | 54,800円 |
Glyphインターフェース | Glyphマトリックス | Glyphライティング |
大きさ |
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重さ | 218 g | 201g |
ディスプレイ |
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カメラ | トリプルカメラ | デュアルカメラ |
チップセット |
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メモリ | 12GB/16GB | 8GB/12GB |
バッテリー | 5,150mAh | 5,000mAh |
急速充電 | 65W急速充電(20分で最大50%) | 50W急速充電(19分で最大50%) |
ワイヤレス充電 | 15W | 非対応 |
Wi-Fi |
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Bluetooth | 6.0 | 5.4 |
アップデート保証 |
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デザイン
デザインには大きな違いがあります。
Phone (3a)は背面の上部中央にカメラユニットとGlyphインターフェースを配置。一方でPhone (3)は、3つのカメラを間隔をあけて並べ、右上に小さめのGlyphインターフェースを搭載しています。
Nothing Phoneシリーズのデザインは、初代のPhone (1)ではユニークや独創的といった表現がしっくりきましたが、Phone (2a)以降はより奇抜さが際立つようになりました。Phone (3)もその傾向が強く、人によって評価が大きく分かれそうです。


本体サイズはPhone (3)のほうがわずかに小さいものの、厚みがあり、重さも17g増しています。
耐久性の面では、IP68の防水・防じん性能やGorilla Glass i7による強化ガラスを採用するPhone (3)が優れています。
カラーはどちらもホワイトとブラックの2色展開。Phone (3a)には楽天モバイル限定のブルーも用意されています。
Glyphインターフェース

最も大きな違いは背面のGlyphインターフェースです。
Nothing Phone (3a)が、背面上部にGlyphライティングを配置するのに対して、Nothing Phone (3)は背面の右上に最新の「Glyphマトリックス」を搭載しています。
見た目のインパクトが強いのは、着信音と連動してLEDが強烈な光を放つPhone (3a)ですが、便利なのはGlyphマトリックスを搭載したPhone (3)です。
Glyphマトリックスは、通知と連動して光るだけではなく、セルフタイマー撮影のカウントダウン、489個のマイクロLEDを使った懐中電灯、音量の確認、時間の表示、ストップウォッチ、バッテリー残量、コンパスといった機能を利用できます。
画質の良いメインカメラで自撮りするときのプレビューとして使用することも可能。さらに、ルーレットのようなスピン・ザ・ボトル・ゲームやじゃんけんといったミニゲームも遊べます。

ディスプレイ
画面サイズはどちらもシリーズ最大の6.77インチです。
Phone (3)の方が高解像度で画素密度も高いですが、肉眼で違いが明らかになるほどではないでしょう。大きな違いは画面輝度で、屋外およびピーク時いずれもPhone (3)が優れています。
ディスプレイ周りの黒いフチ(ベゼル)も違いがあります。Phone (3a)の約2.3mmに対して、Phone (3)は約1.87mmで前面の見た目もよりスタイリッシュになっています。

カメラ
両モデルとも、メインカメラは広角・超広角・望遠の3眼構成を採用しています。
上位モデルのPhone (3)は、大型のイメージセンサーと明るいレンズを備えた広角カメラに加え、光学3倍ズームに対応した望遠カメラを搭載。ロスレスズームやウルトラズームの最大倍率も2倍に強化されています。
超広角カメラは6倍以上の高画素化が図られており、最短10cmのマクロ撮影にも対応。さらに、望遠カメラを活用したテレマクロ機能により、被写体に近づかなくても高精細な接写撮影が可能です。




また、フロントカメラもPhone (3)は、高画素かつ大型のイメージセンサーで撮影できます。
チップセット
Phone (3)のチップセットは、Snapdragon 8s Gen 4です。
Snapdragon 8 Plus Gen 1を搭載したPhone (2)と比べて、CPU性能が36%高速化、GPUが88%の性能向上、AI処理を担うNPUは60%強化されています。
また、メモリとストレージはLPDDR5X / UFS 4.0で高速かつ、大容量な最大16GBメモリと最大512GBのストレージを選べます。
こうしたハードウェアの強化によってアップデート保証も5年間のOSアップデートと7年間のセキュリティアップデートに強化されています。
バッテリーと充電性能
Phone (3)のバッテリーは、3%だけ大容量の5,150mAhを搭載。急速充電はより高出力な65W急速充電に対応していますが、充電時間に大きな差はありません。
ただし、ワイヤレス充電に対応しているのはPhone (3)のみ。最大15Wでワイヤレス充電できるだけでなく、5WリーバスチャージによってQi対応のワイヤレスイヤホンも緊急的に充電できます。
Nothing Phone (3) vs Phone (3a):全スペック比較
Nothing Phone (3) | Nothing Phone (3a) | |
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デザイン | ||
素材 |
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サイズ |
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重さ | 218 g | 201g |
ディスプレイ |
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カメラ |
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フロントカメラ |
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チップセット |
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|
メモリ | 12GB/16GB | 8GB/12GB |
バッテリー |
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ワイヤレス充電 |
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SIM |
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5G | Sub6 | Sub6 |
Wi-Fi |
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Bluetooth | 6.0 | 5.4 |
FeliCa | ?? | ◯ |
防水・防じん | IP68 | IP64 |
USB | USB-C | USB-C |
セキュリティ |
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センサー |
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位置情報 |
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アップデート保証 |
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まとめ:どちらを選ぶべきかは使い方と価格次第
Nothing Phone (3)は、新しいデザインに利便性が向上した新しいGlyphインターフェース、明るいディスプレイ、遠くも近くも自撮りも綺麗に撮影できるトリプルカメラ、基本性能が大きく向上したチップセットとメモリを、IP68等級の防水・防塵を備えた、わずかにコンパクトなボディに詰め込んでいます。
最終的にどちらを選ぶのかは価格によるでしょう。
現時点で日本では正式発表されていませんが、799ドル/799ポンドという価格設定から予想すると、日本での販売価格は10万円を超える可能性は高いように思います。
約2倍の価格を出してPhone (3)を選ぶのか、それとも約半額でPhone (3a)を選ぶのか、使い方や求める体験によって判断が分かれるところです。
カメラ性能や処理速度、耐久性などにこだわりたい人にはPhone (3)が魅力的ですが、普段使いで十分という人やコストパフォーマンスを重視する人にはPhone (3a)がおすすめです。
ただ、どちらを選んでも、Nothingならではの独自デザインと使い心地はしっかり楽しめるはずです。


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