どこが進化した?Nothing Phone (3a)とNothing Phone (2a)を徹底比較
Yusuke Sakakura

Yusuke Sakakura
ブログメディア『携帯総合研究所』の創設者・運営者です。記事の執筆をはじめ、各キャリアやメーカーへの取材、素材の撮影も行なっています。システムエンジニアとしての経験を活かし、HTML・CSS・JavaScript・PHP・Pythonを用いたサイトデザインやテーマの構築を行っています。また、4キャリアの料金比較ができるシミュレーターの開発も担当しています。

Nothingが手ごろな価格帯のスマートフォン、Nothing Phone (3a)シリーズを発売します。
今作では、Nothing Phoneシリーズの象徴である透明で光るデザインがさらに進化し、耐久性も向上。さらに、シリーズ初のトリプルカメラを搭載し、新機能「Essential Space」にも対応。AIボタンを押すだけでメモを保存・整理できます。
この記事では、両機種を徹底比較して、最新機種に買い替える価値があるのか解説します。
Nothing Phone (3a)とNothing Phone (2a)を比較
Nothing Phone (3a) | Nothing Phone (2a) | |
---|---|---|
価格 | $379 | 49,800円 |
Essential Space | 対応 | 非対応 |
画面サイズ | 6.77インチ | 6.7インチ |
画面の明るさ | ピーク輝度3,000ニト | ピーク輝度1,300ニト |
チップセット | Snapdragon 7s Gen 3 | MediaTek Dimensity 7200 Pro |
カメラ | トリプルカメラ | デュアルカメラ |
望遠カメラ | ◯ | X |
超広角カメラ | 8メガピクセル | 50メガピクセル |
ズーム | 光学2倍 / ロスレス4倍 / ウルトラ30倍 | クロップ2倍 / デジタル10倍 |
防水・防じん | IP64 | IP54 |
eSIM | 対応 | 非対応 |
セキュリティアップデート | 6年間 | 4年間 |
デザイン:耐久性が向上した透明ボディ
スケルトンのボディと3つのLEDで構成されるGlyphインターフェースは同じ。
ただ、背面のパターンがシンプルになり、カメラのレンズが増えたことで、見た目の印象も大きく変化しました。
ミッドフレームの素材はどちらも100%再生アルミニウムですが、Phone (3a)の背面は新しいハイグレード強化ガラスで覆われています。Phone (2a)はプラスチックだったので、耐久性も質感も大きく向上しています。
また、防水・防じん性能がIP54からIP64にグレードアップしました。
カラーはPhone (2a)がミルク、ホワイト(日本未発売)、ブラック、Community Edition、Special Editionの4色でしたが、Phone (3a)はブラック、ホワイト、ブルーの3色です。



AIを活用してメモを整理する「Essential Space」
スマホのメモは、スクショ・メモ・写真・ボイスメモなど複数のアプリに分散しがちで、あとから探すのが面倒になることがあります。
そこで、Nothing Phone (3a)シリーズは、AIを活用してメモをまとめて管理できる「Essential Space」に対応。専用のAIボタン「Essential Key」を押すだけで、テキスト・スクショ・写真・音声メモを1箇所にまとめてAIが自動で整理してくれます。
Essential Spaceには、AIボタンを2回押すだけで素早くアクセスできます。

- インスタで気になったイベントを見つけた:AIボタンを押して「明日、チケットの購入をリマインドして」と話すと、リマインダーが登録される
- 街中で気になった家具を見つけた:カメラを開いてボタンを押すと、画像とAIの分析結果が一緒に保存される
- 声でメモる:AIボタンを長押ししながら「免許の更新日が7月7日だからリマインドして」と話すと、書き起こしと音声が保存され、ホーム画面のウィジェットにリマインダーが表示される
- 携帯電話を裏返す:音声メモが保存され、書き起こしと要約が確認できる
パフォーマンス:CPUが最大30%以上の高速化
Nothing Phone (3a)には、TSMCの4nmプロセスで製造されたSnapdragon 7s Gen 3が搭載されています。
CPUは最大33%高速化、グラフィックスの処理速度は11%改善。さらに電力効率も8%向上し、使用時間が最大30分延長されています。
高いパフォーマンスを長時間維持する冷却システムは、4,500mm2のスチールベイパーチャンバーを搭載。これにより、ボディ全体の温度が最大25%低下しています。
性能を数値化するベンチマーク(AnTuTu)は、741,999から825,564まで向上しています。
さらに、AIのパフォーマンスも最大92%大きく向上したことで、Essential Spaceや機械学習によってクリアで高解像度の写真を実現しています。
バッテリー:YouTubeを26時間連続視聴
どちらも5,000mAhのバッテリーを搭載。Phone (3a)では、26時間のYouTube連続視聴が可能です。
急速充電は45W→50Wに向上。フル充電までの時間は59分→56分に短縮されています。残念ながら今作もワイヤレス充電には対応していません。
- 26時間のYouTube
- 11時間のゲームプレイ(PUBG)
- 24時間のインスタグラムでのスクロール
- 45時間の音声通話
バッテリーの寿命は1,200回の充電サイクル後も最大容量90%以上を維持します。一般的な使い方であれば、3年から4年後の話です。交換の目安は80%なので6年から8年後なのでバッテリー寿命は気にしなくて良いでしょう。
スマホを長く使うにあたって重要なアップデートですが、OSアップデートは3年間、そしてセキュリティアップデートはPhone (2a)に比べて2年も長い6年間に延長されています。
カメラ:シリーズ初の3眼、ズーム性能が大幅強化
Nothing Phone (3a)のカメラは、遠くの被写体をクリアに撮影できる望遠を追加したシリーズ初のトリプルカメラです。
Phone (2a)は望遠カメラを搭載していないため、ズームすると画質が劣化しやすいですが、Phone (3a)は光学2倍・4倍ロスレス・30倍ウルトラズームに対応することで、ズーム時もクリアに撮影できます。

一方で、超広角カメラは50メガピクセルから8メガピクセルにスペックダウンしました。
センサーサイズも、これまでに比べて約3分の1のサイズに縮小され、暗所撮影では暗く、ノイズが増える可能性があります。
Phone (3a)のSony IMX355は、Google Pixel 3から6aまで長年にわたってフロントカメラとして採用されていたことを考えると画質については期待しない方が良いでしょう。
フロントカメラもセンサーは小さくなっています。
Nothing Phone (3a)の作例
— Carl Pei (@getpeid) March 4, 2025
ディスプレイは史上最大・最高輝度
Nothing Phone (3a)のディスプレイは6.77インチ。Nothing Phone 史上最大です。
さらに、ピーク輝度は1,300ニトから3,000ニトへと大幅にアップ。これにより、日差しの強い屋外でも画面がくっきりと見やすく改善されています。
タッチサンプリングレートも240Hzから1000Hzまで大幅にグレードアップされました。これにより、短時間で連続タップするような音楽ゲームでも正確にタップが反映されます。
まとめ
Nothing Phone (3a)は、パフォーマンスの向上・シリーズ初のトリプルカメラ・シリーズ最大・最高輝度のディスプレイ・最先端のAI機能によって大幅な進化を遂げました。
特にAIによるメモの管理機能「Essential Space」や、強化されたズーム性能に魅力を感じるなら、Phone (3a)への買い替えを検討しても良いでしょう。
さらに高性能なズームに魅力を感じるなら、Nothing Phone (3a) Proも検討してみましょう。Phone (3a)とPhone (3a) Proの違いを詳しく解説した記事もぜひご覧ください。

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