Nothing Phone (3)とNothing Phone (2)を徹底比較
Yusuke Sakakura

Yusuke Sakakura
ブログメディア『携帯総合研究所』の創設者・運営者です。記事の執筆をはじめ、各キャリアやメーカーへの取材、素材の撮影も行なっています。システムエンジニアとしての経験を活かし、HTML・CSS・JavaScript・PHP・Pythonを用いたサイトデザインやテーマの構築を行っています。また、4キャリアの料金比較ができるシミュレーターの開発も担当しています。

Nothingが同社初の真のフラグシップスマートフォンとなる「Nothing Phone (3)」を発表しました。
約2年ぶりの新モデルとなるNothing Phone (3)は、前作のNothing Phone (2)がどのように進化したのでしょうか。
本記事では両モデルを徹底比較し、最新モデルのPhone (3)に買い換える価値があるのかを詳しく解説します。
Nothing Phone (3)とPhone (2)の違いを比較
Nothing Phone (3) | Nothing Phone (2) | |
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価格 | $799 | 79,800円 |
Glyphインターフェース | Glyphマトリクス | Glyphライティング |
カメラ | トリプルカメラ | デュアル |
チップセット |
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メモリ | 12GB/16GB | 8GB/12GB |
ストレージ |
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バッテリー容量 |
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eSIM | 対応 | 非対応 |
Wi-Fi | Wi-Fi 7 | Wi-Fi 6 |
Bluetooth | 6.0 | 5.3 |
防水・防じん | IP68 | IP54 |
アップデート保証 |
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デザイン
最も大きな変更はデザインです。
Nothing Phone (2)は、手にフィットする丸みのある背面ガラスを採用。Glyphライティングを備えた未来感のあるメカニカルなデザインでした。
対するNothing Phone (3)は、フラットな背面ガラスを採用。Glyphインターフェースは新しい「Glyphマトリックス」に変更され、見た目の雰囲気は大きく変わっています。
耐久性は前面・背面をキズから守る強化ガラスにはGorilla Glass 7iを採用。防水・防じんもIP68等級にアップグレードするなど、大きく向上しています。


新しいGlyphマトリックス
背面全体に配置されたGlyphライティングと異なり、Glyphマトリックスは右上に小さく配置されています。
存在感は小さいながらも機能性は大幅に向上しています。

通知はもちろん、セルフタイマー撮影のカウントダウンや489個のマイクロLEDを使った懐中電灯、音量やNFCの起動確認、時間の表示、ストップウォッチ、ソーラー時計、バッテリー残量コンパスも利用できます。
また、画質の良いメインカメラで自撮りするときのプレビューとして使用したり、ルーレットのようなスピン・ザ・ボトル・ゲームやじゃんけんといったミニゲームも遊べます。
トリプルカメラ
カメラは新たに望遠カメラを追加した3眼構成にアップグレードされました。
ペリスコープ式の望遠カメラによって、より遠くの被写体をくっきり撮影することが可能に。Phone (2)では撮れなかった望遠圧縮による背景の迫力ある写りや、遠近感を抑えた印象的な構図も手軽に楽しめるようになります。
さらに、テレマクロ撮影にも対応したことで、近づけない被写体でも、距離を保ったまま接写撮影が可能になりました。例えば、花や昆虫など繊細な被写体も、カメラを近づけすぎることなく、背景を美しくぼかしながら撮影できるのが大きな魅力です。




広角カメラはセンサーサイズが大型化し、レンズの絞り値も向上したことで、シャッタースピードは70%速く、露光量は44%も増えたことで、暗所でもブレを抑えつつ、より明るく鮮明な写真を撮影できます。
動きのある被写体でもシャープに捉えられるため、夜景や室内撮影の表現力が格段に向上しています。
Snapdragon 8s Gen 4
Phone (3)のチップセットはSnapdragon 8s Gen 4を採用。
Snapdragon 8 Plus Gen 1を搭載したPhone (2)と比べて、CPU性能が36%高速化、GPUが88%の性能向上、AI処理を担うNPUは60%強化されています。
真のフラグシップを謳いながら最高性能を誇る8 Eliteを採用しなかった理由について、Nothingのカール・ペイCEOは「バランスの取れた体験を重視した」と答えています。
容量は12/256GB、16/512GBの2種類から選べます。メモリはLPDDR5X、ストレージはUFS 4.0です。
こうしたハードウェアの強化によってアップデート保証も充実。安心の7年間にわたるセキュリティアップデートと5年間のOSアップデートに対応しています。
バッテリーと充電性能
バッテリーは4,700mAhから5,150mAhに増量しました。
充電性能も45W急速充電から65W急速充電に改善。わずか20分で50%まで充電できます。
ワイヤレス充電については最大15W出力、リバースチャージも5W出力のままです。
Nothing Phone (3) vs Phone (2):全スペック比較
Nothing Phone (3) | Nothing Phone (2) | |
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デザイン | ||
素材 |
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サイズ |
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重さ | 218 g | 201.2 g |
ディスプレイ |
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カメラ |
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フロントカメラ |
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チップセット |
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メモリ | 12GB/16GB | 8GB/12GB |
バッテリー |
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ワイヤレス充電 |
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SIM |
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5G | Sub6 | Sub6 |
Wi-Fi |
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Bluetooth | 6.0 | 5.3 |
FeliCa | ?? | X |
防水・防じん | IP68 | IP54 |
USB | USB-C | USB-C |
セキュリティ |
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センサー |
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位置情報 |
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アップデート保証 |
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同梱品 |
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まとめ:新デザインを受け入れられるかが買い替えの鍵
Nothing Phoneのデザインに惹かれて購入した人も多いと思いますが、約2年ぶりに登場したNothing Phone (3)は、その姿を大きく変えてきました。
新しいデザインは評価が分かれるところですが、機能面では確実な進化が見られます。結局、最初のインパクトを超えるアップデートはなく、飾りのようになっていたGlyphライティングを、実用性を向上したGlyphマトリックスへと進化させたNothingの判断には納得できます。
従来のライティングとマトリックスを併用するという選択肢もあったかもしれませんが、コストなどの事情も影響したのでしょう。
デザインさえ受け入れられるなら、チップセットやカメラ、バッテリーなどの主要な部分はしっかり強化されているため、買い替えても後悔することは少ないはずです。
なお、日本での発売はまだ発表されていませんが、これまでの流れから考えるとFeliCaへの対応も期待できそうです。

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