Proとの違いは?iPhone 16とiPhone 16 Proを比較
Yusuke Sakakura
Yusuke Sakakura
ブログメディア『携帯総合研究所』の創設者・運営者です。記事の執筆をはじめ、各キャリアやメーカーへの取材、素材の撮影も行なっています。システムエンジニアとしての経験を活かし、HTML・CSS・JavaScript・PHP・Pythonを用いたサイトデザインやテーマの構築を行っています。また、4キャリアの料金比較ができるシミュレーターの開発も担当しています。
AppleがiPhone 15およびiPhone 15 Proの後継機種として「iPhone 16」と「iPhone 16 Pro」を発売しました。
iPhone 16は124,800円から、iPhone 16 Proは159,800円から購入できます。
価格差はありますが、両機種には多くの共通点があるため、予算を考慮して手ごろなiPhone 16を選ぶか、より高額なProモデルを選ぶのか迷っている人も多いでしょう。
この記事では、最適なiPhoneを選ぶためにiPhone 16とiPhone 16 Proの違いわかりやすく比較しています。ぜひ購入の参考にしてください。
iPhone 16とiPhone 16 Proの違いを比較
iPhone 16 | iPhone 16 Pro | |
---|---|---|
デザイン | ||
素材 |
|
|
サイズ |
|
|
重さ | 170 g | 199 g |
ディスプレイ |
|
|
カメラ |
|
|
フロントカメラ |
|
|
写真機能 |
|
|
動画機能 |
|
|
チップセット |
|
|
メモリ | 8GB | 8GB |
ベンチマーク | ー |
|
バッテリー |
|
|
ワイヤレス充電 |
|
|
SIM |
|
|
5G | Sub6 | Sub6 |
Wi-Fi |
|
|
Bluetooth | 5.3 | 5.3 |
FeliCa | ◯ | ◯ |
防水・防じん |
|
|
USB | USB-C 2.0(最大480Mbps) | USB-C 3(最大10Gbps) |
セキュリティ |
|
|
センサー |
|
|
同梱品 |
|
|
価格と容量
価格はiPhone 16が124,800円〜、iPhone 16 Proが159,800円〜で、差額は35,000円です。
容量はiPhone 16が128GB、256GB、512GBの3種類、iPhone 16 Proは128GB、256GB、512GB、1TBの4種類から選べます。
ほとんどの人は128GBで十分ですが、写真や動画をたくさん撮る人は、現在使用しているiPhoneの容量と使用済みの容量を確認して、最適な容量を選びましょう。詳しい手順は以下を参考にしてください。
キャリアの価格についてはこちらの記事でまとめています。
- iPhoneの設定画面を表示します
- 「一般」に進みます
- 「iPhoneストレージ」に進みます
- 使用済みの容量を確認できます
デザイン・カラー
iPhone 16とiPhone 16 Proは、どちらもエッジがわずかにカーブした形状の新しいボディデザインを採用し、金属製フレームとマット仕上げのガラスを組み合わせています。
金属製のフレームには、それぞれ異なる素材が使われています。
iPhone 16には航空宇宙産業レベルのアルミニウムが採用されているのに対し、iPhone 16 Proには軽量でありながら耐久性に優れたチタニウムが使用されています。
チタニウムは航空宇宙分野でよく使用されるグレード5を採用し、マイクロブラスト加工によって磨き上げられた新しい仕上げが特徴。指紋が目立ちにくいマットな質感です。
iPhone 16はブラック、ホワイト、ピンク、ティール、ウルトラマリンの5色展開。iPhone 16 Proはブラックチタニウム、ナチュラルチタニウム、ホワイトチタニウム、デザートチタニウムの4色から選べます。
iPhone 16がポップでカラフルなラインナップなのに対し、iPhone 16 Proは高級感のある落ち着いた色合いが揃っています。
大きさと重さ
画面サイズはiPhone 16が6.1インチ、iPhone 16 Proが6.3インチで、どちらも動画視聴やゲームに最適な大きさです。
本体の大きさ(面積)の違いはわずかで、どちらも片手で持ちやすいサイズ感です。
片手操作でも画面の約半分まで指が届き、簡易アクセス機能を使えば、画面が下にスライドするため、指が届きにくい画面上部の通知センターやコントロールセンターも簡単に操作できます。
アルミニウムを採用したiPhone 16は、チタニウムを採用したiPhone 16 Proよりも約29gも軽量で、ゲームなど長時間の操作が必要でも手が疲れにくい軽さを実現しています。
歴代iPhoneの大きさと重さは以下のとおりです。お使いの機種と比べてみてください。
機種名 | 高さ | 幅 | 厚さ | 重さ |
---|---|---|---|---|
iPhone 16 | 147.6mm | 71.6mm | 7.80mm | 170 g |
iPhone 16 Pro | 149.6mm | 71.5mm | 8.25mm | 199 g |
iPhone 15 | 147.6mm | 71.6mm | 7.80mm | 171 g |
iPhone 15 Pro | 146.6mm | 70.6mm | 8.25mm | 187 g |
iPhone 14 | 146.7mm | 71.5mm | 7.80mm | 172 g |
iPhone 14 Pro | 147.5mm | 71.5mm | 7.85mm | 206 g |
iPhone 13 | 146.7mm | 71.5mm | 7.65mm | 173 g |
iPhone 13 Pro | 146.7mm | 71.5mm | 7.65mm | 203 g |
iPhone 12 | 146.7mm | 71.5mm | 7.4mm | 162 g |
iPhone 12 Pro | 146.7mm | 71.5mm | 7.4mm | 187 g |
iPhone 11 | 150.9mm | 75.7mm | 8.3mm | 194 g |
iPhone 11 Pro | 144.0mm | 71.4mm | 8.1mm | 188 g |
iPhone XS | 143.6mm | 70.9mm | 7.7mm | 177 g |
ディスプレイ
どちらも有機ELのSuper Retina XDRディスプレイを搭載しています。
きめの細かさを表す画素密度や、表現力に関わるコントラスト比、HDRなど、画質に関わる性能はどちらも同じ。また、暖色や寒色など異なる照明の下でも色味が自然に調整されるTrueToneディスプレイにも対応しています。
なお、iPhone 16 Proはディスプレイ周りの黒い縁(ベゼル)が極薄化したことによって、より高い没入感で映画やドラマ、ゲームを楽しむことができます。
Proだけ。なめらかなディスプレイ
iPhone 16 Proは、最大120Hzのアダプティブリフレッシュレートに対応しているため、スクロール操作やアニメーションがなめらかに表示されます。
このリフレッシュレートとは、1秒間に画面が書き換わる回数のことです。
例えば、120Hzは1秒間に120回画面が書き換わることを意味します。リフレッシュレートが60HzのiPhone 16に対して、iPhone 16 Proは120Hzなので数値上は2倍なめらかに動作することになります。
通常、リフレッシュレートが高いと電力消費が増加するため、電池持ちは悪くなりがちです。
しかし、iPhone 16 Proは、画面をゆっくりスクロールするなど、なめらかな動作が不要な時には、リフレッシュレートを最低1Hzまで下げることで電力消費を大幅に抑えています。
iPhoneに触れず時間や天気を確認できる「常時表示ディスプレイ」
iPhone 16 Proは常時表示ディスプレイにも対応しています。
スリープ状態でも明るさやトーンを少し暗くしてロック画面が常に表示されるため、iPhoneに触れることなく画面を見るだけで時間や天気を確認できる便利な機能です。
電池持ちが気になるかもしれませんが、リフレッシュレートを最小1Hzに下げることや、壁紙や通知を非表示にするオプションにより、電池持ちへの影響は最小限に抑えられています。
カメラ
iPhone 16とiPhone 16 Proの最も大きな違いはカメラです。
iPhone 16は広角と超広角の2つのレンズを切り替えられるデュアルカメラを搭載していますが、iPhone 16 Proにはズーム撮影でも画質が劣化しない望遠レンズが追加されたトリプルカメラが搭載されています。
以下の表に、それぞれのレンズの違いをわかりやすくまとめました。
広角レンズ | 超広角レンズ | 望遠レンズ |
---|---|---|
被写体や撮影シーンなど選ばずオールマイティに使えるレンズです | 広範囲を写せるレンズ。人間の視野よりも広範囲を写すために旅行で景色をダイナミックに撮影したり、屋内でも活躍します | ズーム機能を使って遠くの被写体を撮影できるレンズ。スポーツ観戦やポートレート撮影で便利、望遠圧縮でスマホ離れした写真も |
新しいカメラ専用のボタン
iPhone 16とiPhone 16 Proの本体右側には、新しいカメラコントロールが追加されました。
このボタンを押すと、画面がオフの状態でもカメラがすぐに起動。カメラ起動中に押すとシャッターボタンとして機能して写真を撮影できるほか、長押しで動画も撮影できます。
またボタンにはタッチセンサーが内蔵されていて、タッチコントロールをスライドすると、ズーム倍率や露出(明るさ)の調整ができます。
さらに2024年内に配信予定のアップデートで、カメラコントロールを半押しすると被写体にフォーカスを合わせられるなど、カメラ専用機のような操作も可能になります。
カメラを即起動してシャッターボタンを押せるカメラコントロールによって、シャッターチャンスを逃すことなく撮影できます。
従来のタッチ操作では、ズームを目的の倍率に合わせるのに時間がかかり、露出の調整はそもそもの操作方法がわからないといったことがありましたが、カメラコントロールを使えば細かな撮影の調整も可能です。
Proだけ。48MPマクロも撮れる超広角レンズ
両機種とも景色をダイナミックに撮影したり、狭い部屋でも多くの被写体を1つの画角に収められる超広角レンズを搭載しています。
どちらもマクロ撮影に対応していますが、iPhone 16 Proは48メガピクセルのセンサーを使用しているため、より高精細かつ暗い場所でも明るく撮影できます。
Proだけ。光学5倍の望遠レンズ
iPhone 16 Proには、遠くの被写体も高画質で撮影できる望遠レンズが搭載されています。
iPhone 16は2倍以上ズームすると、写真を引き伸ばすデジタルズームになるため、画質が悪くなりますが、光学5倍ズームの望遠カメラを搭載したiPhone 16 Proなら画質を保ったまま撮影可能。
iPhone 16 Proは、より遠くの被写体を高画質で撮影できるだけでなく、望遠圧縮効果によってスマホとは思えない本格的な写真を撮ることができます。思い出の記録や写真で表現を追求したい人、SNSでより多くのいいねを集めたい人に特におすすめです。
また、ズームの最大倍率はiPhone 16の10倍に対して、iPhone 16 Proは25倍まで対応。遠くで遊ぶ子どもやペットの撮影、スポーツ観戦でのズーム撮影が多い人にもiPhone 16 Proは最適です。
Proだけ。子供の成長記録にも便利なLiDARスキャナ
iPhone 16 Proには、最大5メートル先の対象物との距離をナノ秒の超高速で測定できるLiDARスキャナが搭載されています。
サードパーティのアプリを利用すれば、3D写真を撮影することも可能で、ペットや赤ちゃんの発育を記録することができます。
また、店内など暗い場所でも高速かつ正確なオートフォーカスが可能です。玉ボケを生み出すナイトモードのポートレート撮影は、LiDARスキャナを搭載したiPhone 16 Proでのみ利用できます。
さらに、LiDARスキャナによるオートフォーカスは動画撮影にも対応しており、子どもやペットなど動き回る被写体でもしっかりとピントが合います。
Proだけ。ProRAWとProRes撮影
iPhone 16 Proはプロモデル限定のカメラ機能にも対応しています。
写真のProRAWモードでは、機械学習モデルによってシャープネスの低下やノイズの増大といった高画素の弱点が補正された48MPの写真を撮影できます。撮影後には、Adobe Lightroomなどの本格的な編集アプリを使って、仕上がりを柔軟に調整することも可能です。
動画のProResモードでは、CMや長編映画にも広く使用されているビデオコーデックで撮影できます。
忠実な色再現と低圧縮率が特長のプロフェッショナル向けの機能で、外部ストレージを接続すると4K/120fpsでのProRes撮影が可能です。
Logエンコードにも対応するほか、ACES規格にも準拠。Apple Vision Proで楽しめる、空間を記録する空間ビデオ撮影にも対応しています。
性能と電池持ち
iPhone 16 Proには、最新のA18 Proチップが搭載されています。
電力効率に優れる第2世代の3nmプロセスで製造されたA18 Proは、スマートフォン最速を謳うCPUは最大15%高速化しつつ、20%も少ない電力でA17 Proと同じ負荷を処理できます。
また新しい16コアのニューラルエンジンは前世代より高速かつ効率的に進化し、システムメモリ帯域幅は17%増加しました。
快適なゲームプレイに関わるGPUは最大20%の高速化を達成し、高い処理能力を要求する最新のゲームも快適にプレイできます。
一方で、iPhone 16には、A18チップが搭載されています。
A18チップは、A16 Bionicチップに比べて最大30%高速化され、同じ負荷を30%も少ない電力で処理できるCPUと、最大40%の高速化と35%の効率化を達成したCPUを備えています。
A18 ProはAppleが“業界をリードするパフォーマンスと電力効率”と説明しているように、性能と電力効率の両方でA18チップを上回っているため、最新のゲームやAR体験、写真や動画編集を快適にこないしたい人には、Proモデルをおすすめします。
Appleは搭載するチップによってOSアップデートのサポート期間を決定するため、Proモデルの方が通常モデルよりも長期にわたってアップデートが提供される可能性があります。
なお、両機種に8GBのメモリが搭載されており、文章の作成をサポートしたり、緊急を要する通知だけを知らせる新しい集中モード、写真から邪魔な被写体を消すことができるAI機能「Apple Intelligence」も利用できます。
高速充電
iPhone 16は、パッケージに付属のUSB-Cケーブルと別売りの20W以上の電源アダプタを使用することで、30分で最大50%まで充電できます。
またワイヤレス充電はQi2対応の充電器で最大15W出力で充電できます。Qi2はMagSafeのようにマグネットによって位置ズレを防いで、より効率的な充電ができる共通規格です。なお、MagSafeでは最大25Wの高速充電に対応します。
好きな機能を一発起動のアクションボタン
これまでのiPhoneの左側面には、ワンタッチでマナーモードに切り替えられるマナースイッチが搭載されていました。
ただ、常にマナーモードにしてる人にとっては使わないボタンであり、Androidでマナースイッチを備えている機種はほぼありません。
イヤホン端子など、いらないと判断したものをすぐに捨ててきたAppleにとっては遅い決断でしたが、昨年発売のiPhone 15 Proでマナースイッチを進化させた新しいアクションボタンが初めて搭載されました。
今年はiPhone 16 シリーズ全機種にアクションボタンが搭載されます。
アクションボタンは事前に割り当てた機能を一発で起動できるボタンで、長押しでこれまでどおりマナーモードをオン/オフできるほか、カメラを起動してシャッターボタンを押したり、ボイスメモによる録音を開始したり、ショートカットアプリを使ってお気に入りのアプリを即起動することもできます。
高精度なGPS
iPhone 16 Proは高精度2周波GPSに対応しています。
iPhone 16のL1 GPSは、高いビルや木々に囲まれた場所では、衛星信号が遮られて現在地を正確に表示できないことがあります。しかし、iPhone 16 Proの高精度2周波GPSは、L1 GPSとL5 GPSが利用することで、高層ビルが立ち並ぶ場所でも最高精度で現在地を特定できます。
高精度2周波GPSは登山やスキーなどで山での利用はもちろん、ビルが密集する都市部でも高い効果を発揮します。
まとめ:iPhone 16とiPhone 16 Proの選び方
iPhone 16 Proは、耐久性が高く質感も優れたチタニウムのボディ、最高の性能と電力効率のA18 Proチップ、より長い電池持ち、極薄ベゼルでスタイリッシュなディスプレイ、便利な常時表示機能、なめらかな映像体験、光学5倍ズームで遠くの被写体もくっきり撮影できるProレベルのトリプルカメラ、高精度なGPSを搭載しています。
さらに、最大4K/120fpsの動画撮影、焦点距離のカスタム、最大10Gbpsの高速データ転送が可能なUSB-CもProモデル限定の機能です。
こうしたPro向けの機能に興味がなく、同じ表現力を持つ有機ELディスプレイ、便利なダイナミックアイランド、カーブしたエッジのボディデザイン、48MPのメインカメラ、Qi2と高速なMagSafeのワイヤレス充電、USB-C端子など、Proとの共通点で十分満足できる人には35,000円も安いiPhone 16を選ぶことをおすすめします。
コメントを残す