どっちを選ぶ?iPhone 16eとiPhone 15の比較まとめ
Yusuke Sakakura

Yusuke Sakakura
ブログメディア『携帯総合研究所』の創設者・運営者です。記事の執筆をはじめ、各キャリアやメーカーへの取材、素材の撮影も行なっています。システムエンジニアとしての経験を活かし、HTML・CSS・JavaScript・PHP・Pythonを用いたサイトデザインやテーマの構築を行っています。また、4キャリアの料金比較ができるシミュレーターの開発も担当しています。

AppleがiPhone SEシリーズの販売終了と同時に「iPhone 16e」を発表しました。これにより、iPhone 16eはApple公式サイトで購入できるiPhoneのなかで最も安いモデルとなっています。
最新チップを搭載しながらコストを抑えるーーそんなSEシリーズの特徴を引き継いだiPhone 16eは、ホームボタンを廃止し、エッジトゥエッジのデザインを採用。さらに、Apple Intelligenceに対応するなど、大幅な進化を遂げています。
一方、2023年に発売されたiPhone 15は、最新のデザインに加え、ダイナミックアイランドやデュアルカメラを搭載したモデルです。
価格が近いことから、どちらを選ぶべきか悩んでいる人も多いでしょう。この記事では、デザイン・チップ性能・AI機能・価格など、購入の決め手となるポイントを徹底比較し、それぞれの特徴や選び方を解説します。
iPhone 16eとiPhone 15の違いを比較
iPhone 16e | iPhone 15 | |
---|---|---|
Apple Intelligence | 対応 | 非対応 |
チップ |
|
|
デザイン | 背面:ガラス | 背面:カラーインフューズドガラス |
ディスプレイ | ノッチ | ダイナミックアイランド |
カメラ | ツーインワンのカメラシステム | デュアルカメラシステム |
ポートレート | フォーカス機能なし | フォーカス機能 |
シネマティックモード | 非対応 | 対応 |
アクションモード | 非対応 | 対応 |
アクションボタン | あり | なし |
風切り音の低減 | 対応 | 非対応 |
オーディオミックス | 対応 | 非対応 |
電池持ち | 最大26時間の動画再生 | 最大20時間の動画再生 |
MagSafe | 非対応 | 対応、最大15W |
超広帯域チップ | なし | 第2世代 |
価格 | 99,800円から | 112,800円から |
- デザイン:サラサラで美しいカラーインフューズドガラスを採用するiPhone 15
- ディスプレイ:iPhone 15は便利なダイナミックアイランドを搭載
- Apple Intelligence:今後、中心的な存在かつ重要な機能になるAIはiPhone 16eのみ対応
- 性能:A18チップを搭載したiPhone 16eは、基本操作はもちろん動画編集もゲームも快適に動作する
- カメラ:超広角カメラとシネマティックに対応するのは、iPhone 15のみ
- 価格:iPhone 16eは、iPhone 15よりも13,000円安い
デザインと大きさ
どちらも6.1インチのディスプレイを搭載していますが、デザインには大きな違いがあります。
ノッチ付きのデザインを採用するiPhone 16eに対して、オールスクリーンの新デザインを採用するiPhone 15はダイナミックアイランドを搭載しています。
ダイナミックアイランドは、通知やアラート、アプリの操作をスムーズにする機能です。
例えば、バッテリー残量が20%と10%に低下すると、iPhone 16eでは画面中央にポップアップが表示され、タップしないと消せません。
一方、iPhone 15であれば、バッテリー残量の低下アラートが控えめに表示されるため、画面をタップする必要がなく、ストレスなく操作を続けることができます。

背面のデザインにも違いがあります。
iPhone 16eは光沢のあるガラスを採用し、カラーはブラックとホワイトの2色から選べます。
対するiPhone 15は、マットでサラサラな質感のカラーインフューズドガラスを採用。カラーはピンク、イエロー、グリーン、ブルー、ブラックの5色です。すべて、かなり淡く落ち着いた色合いです。


A18 vs A16 Bionic
iPhone 16eとiPhone 15の最も大きな違いは「性能」です。
iPhone 16eのA18は、iPhone 15のA16 Bionicと比較して、基本操作に影響するCPUの性能が30%向上しています。
一方で、快適なゲーミング体験に関わるGPUや機械学習とAI関連の処理を効率的に行うNeural Engineの詳細な比較データは、Appleから開示されていません。
ただし、同じA18を搭載し、GPUのコア数が1つ多いiPhone 16では、A16 Bionicと比べてGPUが最大40%高速化し、Neural Engineが最大2倍速くMLモデルを実行できると説明されています。そのため、iPhone 16eのA18でも、ある程度の性能向上が期待できます。
高性能な最新のA18チップは、Apple IntelligenceをはじめとするAI機能の強化、カメラの画質向上、写真と動画編集の強化につながります。また、長期的なアップデートや、新機能も制限されることなく利用できることが期待されます。
Apple独自設計のチップとモデムで“並外れた電池持ち”
iPhone 16のA18は、A16 BionicのCPUに比べて30%少ない電力で動作し、GPUの効率も35%向上しました。
さらに、iPhone 16eは、iPhone史上最も電力効率に優れたモデム「C1」を搭載しています。
低消費電力のチップとモデム、そして先進的な電力管理機能のiOS 18との組み合わせによって、iPhone 16eは“並外れたバッテリー駆動時間”を実現しています。
Appleによると、iPhone 16のバッテリー駆動時間は、6.1インチのiPhone史上最長。iPhone 11より最大6時間長く、すべての世代のiPhone SEに比べて最大12時間長く持続します。
Apple Intelligence
Apple Intelligenceは、Appleが“パーソナルインテリジェンス”と説明するAI機能です。
システム全体にAIが統合され、メールや通知の要約、自然な言語による写真の検索、動画のシーン検索、スマートな通知管理、秘書のようにサポートするパワーアップしたSiriに対応します。

例えば、友だちが飛行機で遊びに来るとき、Siriに「〇〇のフライトの時刻は?」と聞くと、事前にやりとりしたフライトの情報を検索し、リアルタイムな運行状況を参照して、最新の到着時刻を教えてくれます。
これまでは、友だちとのやりとりを探して、フライトの情報を確認したら、Safariを起動して遅延状況を調べる必要がありましたが、これからはSiriがすべてやってくれます。
また、「iCloudって何?」や「タイマーの設定方法は?」といったiPhoneについてわからないことや操作方法もSiriに聞けば、すぐに教えてくれます。
Apple Intelligenceは、4月初旬に日本語に対応する予定です。現時点では一部の機能のみ利用可能。機能は順次追加される予定です。
カメラ:48メガピクセルの高画素センサー搭載
デュアルカメラのiPhone 15に対して、iPhone 16eはシングルカメラを搭載しています。
- iPhone 15
- 48MP 広角カメラ
- 12MP 超広角カメラ
- iPhone 16e
- 48MP 広角カメラ
広角カメラ
どちらも広角カメラは48メガピクセル。
ピクセルビニングによってノイズを除去し、広いダイナミックレンジの12メガピクセルと合成することで、高精細かつ広いダイナミックレンジとノイズの少ない24メガピクセルの写真を作り出します。

また、高画素なイメージセンサーによって、ズーム性能も大幅に強化されています。ワンタッチで2倍ズームに切り替えて、劣化を抑えた高精細な写真を撮影できます。

超広角カメラ
iPhone 15だけで利用できる超広角カメラは、子どもやペット、景色をダイナミックに撮影できます。
また、東京タワーや歴史的建造物、室内など、広角カメラでは一部しか映らない場合でも、超広角カメラなら1枚に収めることができます。


風景や超広角の写真を撮ることが多いならiPhone 15を選びましょう。背景をぼかした動画を撮れるのもiPhone 15だけです。
iPhone 16eでは使えない機能まとめ
iPhone 16eは、16シリーズながら他のモデルに比べて、使えない機能が多いので以下にまとめておきました。
- MagSafe(7.5Wのワイヤレス充電のみ)
- 超広角カメラと望遠カメラ
- マクロ撮影(iPhone 14も不可)
- フォーカス機能付きのポートレート(写真撮影後に被写体をタップしてピントを変更する機能)
- シネマティックモード(背景をぼかして動画を撮れるモード)
- アクションモード(手ぶれを最小限に抑えた動画撮影モード)
- 第2世代の超広帯域チップ(AirTagの正確な位置を確認できない)
価格とストレージ
どちらも容量は128GB/256GB/512GBの3種類です。
Apple公式サイトの価格は、iPhone 16eが99,800円から、iPhone 15は112,800円からです。差額はわずか13,000円です。
なお、iPhone 16eのキャリア価格はスマホの返却など条件を満たせば、月額1円・総額24円で手にすることができます。
キャリア価格については以下の記事で詳しく解説しています。
結論:決め手はApple Intelligenceとカメラ
デュアルカメラやシネマティックモードなどの豊富なカメラ機能、MagSafeに魅力を感じるのであれば、iPhone 15を選ぶのもアリですが、Apple Intelligenceに対応しないモデルはあまりオススメできません。
Apple Intelligenceは、これから間違いなくiPhoneの中心的な機能になるでしょう。13,000円も多く支払って買う必要があるでしょうか。
OSアップデートで追加あれる新機能はApple Intelligenceに集中し、非対応のモデルは寂しいアップデートになることも予想されます。
- 価格を抑えたい人
- 最新チップで動画編集もゲームも快適にプレイしたい人
- Apple Intelligenceを使いたい人
- 電池持ちを重視する人

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