何が変わった?Pixel 9aとPixel 8aを徹底比較
Yusuke Sakakura

Yusuke Sakakura
ブログメディア『携帯総合研究所』の創設者・運営者です。記事の執筆をはじめ、各キャリアやメーカーへの取材、素材の撮影も行なっています。システムエンジニアとしての経験を活かし、HTML・CSS・JavaScript・PHP・Pythonを用いたサイトデザインやテーマの構築を行っています。また、4キャリアの料金比較ができるシミュレーターの開発も担当しています。

GoogleのスマートフォンPixel Aシリーズの最新モデル「Pixel 9a」が正式発表されました。
米国価格は変わらず、超大容量バッテリーと最新チップのGoogle Tensor G4を搭載。見切れた部分をAIが補正する「オートフレーム」や、アイデアを入力するだけで画像を生成できる「Pixelスタジオ」などのアプリに対応しています。
この記事では、両機種を徹底比較して、最新モデルに買い替える価値があるのか解説します。
Pixel 9aとPixel 8aを比較
Pixel 9a | Pixel 8a | |
---|---|---|
価格 | 499ドルから | 72,600円 |
チップ | Google Tensor G4 | Google Tensor G3 |
AI機能 |
|
非対応 |
デザイン | フラットデザイン | ラウンドデザイン |
ディスプレイ | 6.3インチ、4辺同一幅のベゼル | 6.1インチ、下側だけ太いベゼル |
ピーク輝度 | HDR: 1800ニト、ピーク: 2700ニト | HDR: 1400ニト、ピーク: 2000ニト |
広角カメラ | 48MP、センサーサイズ1/2インチ | 64MP、センサーサイズ1/1.73インチ |
バッテリー | 5,100mAh | 4,492mAh |
防水・防じん | IP68 | IP67 |
デザイン:カメラバーを廃止
最大の特徴は大幅に変更されたデザインです。
背面のカメラバーを廃止することで、カメラの出っ張りが消えてすっきりしたデザインになりました。
また、軽量なアルミニウムフレームは、手になじみやすいカーブフォルムからスタイリッシュなフラットフォルムに変化しています。




ディスプレイ周りの黒いフチ(ベゼル)は、上位モデルのPixel 9に比べると幅は太いものの、上下左右とも同じ幅に改善されています。
カラーは、Iris、Peony、Obsidian、Porcelainの全4色から選べます。
AIとパフォーマンス:高速かつスマートに
Pixel 9aには、最新のGoogle Tensor G4チップが搭載されています。
Tensor G3に比べてウェブブラウジングが20%、アプリの起動も17%高速化されたことに加え、クラウドにデータを渡さず、デバイス上で安全に高度なAI機能を利用できるオンデバイスAI「Gemini Nano」を搭載。
- レコーダーアプリの要約機能
- Gboardのスマートリプライ
- コールスクリーニングのスマートリプライ:不明な発信者からの電話に対して、文脈に応じた音声返答を提案。提案をタップするだけで音声で返答可能
- 詐欺検出機能
さらに、Tensor G4のGemini Nanoは、クラウドを介さずオンデバイスで、テキストに加えて画像も音声も理解できるマルチモーダルに対応。オンデバイスAIの性能が向上したことで、プライベートな情報を強力なオンデバイスAIで処理できます。
これにより、Pixel StudioなどのAIアプリも利用できます。
- Pixel Studio:アイデアをテキストにするだけで、画像を生成できるAIアプリ
- Pixel Screenshots(非対応?):スクショをメモとして取り扱い、AIが自動で分析。スクショの内容をテキスト検索できるAIアプリ
- 通話メモ(非対応?):自動的に通話の内容をまとめて後から確認できる機能(米国限定)
ただし、Pixel 9aのGemini Nanoは、小規模モデルであることからテキストの処理のみ対応しており、Pixelスクリーンショットや通話メモに対応していない可能性があります。
Pixel Studioとは?

Pixel Studioは、頭に思い浮かんだアイデアをテキストで入力するだけで、AIが画像を生成してくれるアプリです。
オリジナルの画像に加えて、Googleメッセージで利用できるステッカーも作成可能。ステッカーは、テキスト入力に加えて、自分で撮影した写真から作ることもできます。
また、Pixel Studioで作成したオリジナルの画像にステッカーを貼り付けてデコレーションすることも可能です。
Pixel Screenshotsとは?

Pixel Screenshotsは、撮影したスクリーンショットの内容をAIが自動解析し、専用アプリ内に保存・整理できるアプリです。
スクショに含まれる情報は、アプリ内およびGeminiを使って検索することもできます。
例えば、「Pixel 9 Proのストアクレジットの有効期限は?」と入力すると「有効期限は2024年8月19日です」といった回答と共にスクショが表示されます。
スクショを選択してアプリのアイコンをタップすると、スクショを撮影したアプリが起動するため、あとで購入しようと考えていた商品をスムーズに購入することができます。
ディスプレイ:日差しの強い屋外でも見やすく改善
Pixel 9aの画面サイズは6.3インチ。Pixel 8aの6.1インチからわずかに大きくなりました。本体の大きさも少しだけ大型化しています。
ピーク輝度は2000ニトから2700ニトに改善されたことで、日差しの強い屋外でも画面がくっきり表示されます。
カメラ:シリーズ初のマクロフォーカスに対応
カメラは、どちらも広角カメラと超広角カメラを備えています。
ただし、広角カメラは64メガピクセルから48メガピクセルにスペックダウンしています。
さらにイメージセンサーの大きさも1/1.73インチから1/2インチに小型化しています。
それでもピクセルサイズが変わらなければ、光の取り込み量は変わらず、画質への大きな影響はないと予想されますが、GoogleはPixel 9aのピクセルサイズを明かしていません(Pixel 8aは0.8μm)




カメラ機能では、Tensor G4を搭載したことで、周りに人がいないときでも三脚がなくても集合写真が撮れる「一緒に写る」や、後から見返した写真の一部が見切れていた場合にAIが補正する「オートフレーム」といったAIカメラの機能に対応。
さらに、Pixel A-Seriesとして初めて写真と動画のマクロフォーカスにも対応しています。
電池持ち:史上最大のバッテリー容量
バッテリー容量はGoogle Pixel史上最大となる5,100mAhです。
最上位モデルのPixel 9 Pro XLの5,060mAhを上回り、前作のPixel 8aと比較して500mAh以上も増加したことになります。
さらに、Tensor G4はGoogleが「シリーズ史上最も高速で効率的なプロセッサ」と説明するほど消費電力に優れており、最新チップと大容量バッテリーの組み合わせによって、通常時の電池持ちは最大24時間から30時間に大幅に向上しています。
バッテリーの大容量化に合わせて、有線充電も最大18Wから最大23Wの出力に向上しています。
まとめ:買い換えるべき?
Pixel 9aは、カメラバーを廃止したまったく新しいデザインに、最新のチップとシリーズ史上最大のバッテリーを搭載。マルチモーダル対応のGemini Nanoによって、AI機能も大幅にアップグレードされています。
広角カメラの画素数ダウンとイメージセンサーの小型化は気になるところですが、高速化された性能とPixel Studioといった最新のAI機能に魅力を感じるのであれば、Pixel 9aへの買い替えを検討しても良いでしょう。
現時点で日本での発売日と価格は発表されていませんが、Google Storeの価格は10万円には届かないと予想されます。

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