何が進化した?Pixel 9 Pro FoldとPixel Foldを比較
Yusuke Sakakura
Yusuke Sakakura
ブログメディア『携帯総合研究所』の創設者・運営者です。記事の執筆をはじめ、各キャリアやメーカーへの取材、素材の撮影も行なっています。システムエンジニアとしての経験を活かし、HTML・CSS・JavaScript・PHP・Pythonを用いたサイトデザインやテーマの構築を行っています。また、4キャリアの料金比較ができるシミュレーターの開発も担当しています。
Googleが2024年の最新折りたたみスマートフォン「Google Pixel 9 Pro Fold」を9月4日に発売しました。
通常のスマートフォンとしてはもちろん、本体を開いて映画やドラマ、スポーツをタブレットサイズの大画面で楽しんだり、複数のアプリを同時に起動しながら操作したり、そのまま閉じてポケットに入れて持ち運ぶなど、通常のスマートフォンにはない魅力が詰まった折りたたみスマートフォンの購入や最新機種への買い替えを検討しているも多いのではないでしょうか。
そこで、この記事では、Pixel 9 Pro FoldとPixel Foldを比較してどこが変わったのか、何が進化したのかをまとめています。
Pixel 9 Pro FoldとPixel Foldを比較
Pixel 9 Pro Fold | Google Pixel Fold | |
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デザイン | ||
素材 |
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サイズ |
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重さ | 257 g | 283 g |
カバーディスプレイ |
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メインディスプレイ |
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カメラ |
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フロントカメラ |
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撮影スタイル |
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写真機能 |
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動画機能 |
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チップセット |
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メモリ | 16GB | 12GB |
AI |
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ベンチマーク |
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バッテリー |
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ワイヤレス充電 |
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SIM |
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5G | ミリ波・Sub6 | ミリ波・Sub6 |
Wi-Fi |
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Bluetooth | 5.3 および デュアルアンテナ | 5.2 および デュアルアンテナ |
FeliCa | ◯ | ◯ |
防水・防じん | IPX8 | IPX8 |
USB | 3.2 Gen 2 | 3.2 Gen 2 |
セキュリティ |
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センサー |
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位置情報 |
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アップデート保証 |
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同梱品 |
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デザインと大きさ
折りたたみスマホが敬遠される理由として「重さ」と「厚さ」の2つがありますが、Pixel 9 Pro Foldは、折りたたみスマホにおいて最も重要な部品であるヒンジを改良することで両方が大幅に改善されています。
Pixel Foldのヒンジは重いステンレススチールを採用していましたが、軽量なアルミニウム合金カバーを導入したことによって25g超の軽量化を実現しています。
本体も最薄(日本で購入可能な折りたたみスマホとして)で、本体を閉じた状態では12.1mmから10.5mm、開いた状態でも5.8mmから5.1mmと大幅にスリム化されました。
手に持った感触もかなり良く、ポケットに入れた時でも不快感のないデザインに改善されています。
軽量化・スリム化で心配になるのが耐久性ですが、落下時の衝撃を分散させることで頑丈な設計になっています。
カラーは同じPorcelainとObsidianの2色。フレームの仕上げはサラサラで指紋が目立たないサテン仕上げに変更されています。
ディスプレイ
大幅に改良されたヒンジの新ボディの内側と外側には、いずれも巨大化した2枚のディスプレイを搭載します。
本体内側のディスプレイは折りたたみスマホ最大の8インチで、映画やドラマ、スポーツも迫力の大画面で楽しめるほか、2つのアプリを同時に表示するときも巨大なスペースで快適に作業できます。
さらに、Pixel Foldシリーズとして初となるActuaブランドを搭載。明るさが80%も改善されたことで、外で地図を開いたり読書するときも画面がくっきり表示されます。
ポケットから取り出してそのまま操作できる本体外側のディスプレイは、幅広で縦が短いトリッキーなサイズから一般的なスマホと同じサイズに変更されました。
前モデルは縦が短すぎてスクロール量が多くなったり、最適化されていないアプリではレイアウトが潰れる現象がありましたが、最新モデルはうまく動作するはずです。
なめらかな映像を実現するリフレッシュレートは最大120Hzを維持しながら、本体外側のディスプレイは60Hz、本体内側のディスプレイは1Hzに改良されたことで消費電力も改善されています。
カメラ
カメラは景色をダイナミックに撮れる超広角カメラと、内側と外側両方のフロントカメラの画角がさらに拡大。閉じたときだけ利用できた顔認証は開いた状態でも利用できます。
超広角カメラは初対応のオートフォーカスと近くの被写体を撮れるマクロフォーカスによって遠くも近くもクリアに撮影可能。
新たに追加されたマルチゾーンレーザー検出AFによってピント合わせも高速でシャッターチャンスを逃さず思い出を鮮明に残せます。
大幅に進化したのはカメラ機能です。
折りたたみスマホならでは撮影スタイルとして、ノートPCのように机に置いた状態で手ブレなしで撮れるテーブルトップモード、本体外側のディスプレイで撮られる側も写りを確認しながら画質の良いメインカメラで撮れる背面セルフィに継続対応。
背面セルフィでは、本体外側のディスプレイに楽しいアニメーションを表示することで子どもの視線を集めつつ笑顔の表情を撮影できる新機能「こっちを見て」に対応します。
AIを活用した新しいカメラモードでは、撮影者を交代しながら写真を撮るとAIが自然に1枚の集合写真に合成することで、旅行中に周りの人に撮影を頼む必要のない「一緒に写る」、撮影後にAIが最適な画角に調整する編集マジックの「オートフレーム」、写真の変更したい場所をタップして追加したいものを英語で入力すると、AIが自然に追加する「イマジネーション」、生成AIによってズーム撮影/拡大編集時に失われるディテールを埋める「ズーム画質向上」に対応。
景色を残すのに最適なパノラマモードは夜景でも明るく綺麗に撮ることができます。
さらに、目をつむるなど残念な表情も撮影後にベストな表情に変更できる「ベストテイク」やクラウドで動画の画質を向上する「動画ブースト」、夕暮れ/夜/明け方といった暗い時間帯や暗い場所で撮影した動画の画質を大幅に向上できる「ビデオ夜景モード」、動画の雑音をAIが分類分けしてそれぞれを小さく/大きく調整できる「音声消しゴムマジック」といった昨年追加されたカメラ機能もキャッチアップしています。
性能と電池持ち
チップはGoogle Tensor G2から最新のTensor G4にジャンプアップし、性能はもちろんGoogle Pixel史上最高。電力効率もこれまでで最も優れています。
Tensor G3で大幅に改善されながらも、まだ不満の声があった発熱(Pixel FoldのTensor G2はもっと酷かった)に関しては、より高度な冷却技術を採用した新しいベイパーチャンバーによって改善されています。
メモリも12GBから16GBに大容量化したことで、本体内側のディスプレイで2つのアプリを同時起動しながら使い分けるマルチタスキングの動作が改善。
アップデート保証もセキュリティアップデートは5年から7年に、OSアップデートも3年から7年に延長。Pixelアップデート(旧Feature Drop)も7年保証が明言されています。
Google AI
最新チップのGoogle Tensor G4と16GBの大容量メモリによって、Google AIも大幅にパワーアップ&スピードアップしています。
Googleよれば、Tensor G4のGemini NanoはTensor G3に比べて3倍も高性能に。さらに初めてマルチモーダルに対応します。
ただ、残念ながら現時点ですべて日本語に対応していません。
AI天気予報
新しい天気情報アプリのトップには、AI天気予報が表示されます。
AI天気予報はアプリ内で確認できる天気に関する詳細をまとめたもので、例えば「今朝は快適な気温で11時ごろのUV指数は高くなります。今日のこれからの気温は62°Fから73°Fで快適です。空気の質は良好です」といったレポートを確認できます。
なお、AI天気予報は日本非対応ですが、天気予報アプリ自体は日本でも利用できます。
音声通話の録音・書き起こし・要約
音声通話では通話内容の録音、書き起こし、要約が可能に。すべてオンデバイスで処理され、クラウドに送信されることはないため安全に利用できます。
スクショとAIで記憶を検索「Pixelスクリーンショット」
新アプリとして覚えておきことを忘れてしまったり、必要な時にすぐに見つけられない時に役立つ「Pixelスクリーンショット」が追加されます。
日々撮影するスクショの内容をAIが解析し、必要な時にテキストでサクッと検索できます。メモしたレシピや気になっていたレストラン、Wi-Fiのパスワードなどを時間をかけることなく思い出せるはず。
なお、気になった商品をスクショする場合はリンクも同時に保存されるため、買おうと思いながらも後回しにしていたネットの商品をPixelスクリーンショットで探せるだけでなく、商品ページにまでアクセスしてそのまま購入できます。
テキストから画像を生成する「Pixel Studio」
オンデバイスAIとクラウドAIのImagen3で実現する「Pixel Studio」では、プロンプトを入力するだけで画像を生成することができます。
まとめ:Pixel 9 Pro Foldに買い換える?
Pixel Foldを発売から1年使って再確認したのは、タブレットクラスの巨大なディスプレイと言っても、操作機会が圧倒的に多いのはスマホサイズの外側のディスプレイということ。
折りたたみスマホのなかには、幅が狭くおまけのような外側ディスプレイを搭載する機種もありますが、個人的にそういった機種はタブレット寄りのデバイスのため、ポケットからサッと取り出して写真や動画を撮ったり、ネットやアプリを使うような利用方法においてはあまり良い体験が得られません。
一方でスマホに近い大きさの外側ディスプレイを搭載したPixel Foldは、本体を閉じればスマホに、開けばタブレットになる2in1デバイスと高く評価しました。そして、Pixel 9 Pro Foldは、外側ディスプレイをさらにスマホのサイズ感に近づけ、軽量化、薄型化したことで、操作性が格段に向上しています。
価格は25万円以上と高額なのでキャンペーンを利用したいところ。
例えば、Googleストアの販売価格は256GBが257,500円、512GBが277,500円なので、少しでも負担を下げるためにストアクレジットや下取りプログラムを利用しましょう。
定期的にPixel Foldの下取りが期間限定で100,000円まで増額されているので、良いタイミングで下取りに出せば15万円ほどで買い替えできます。
さらにPixel 9 Pro Foldを購入すると、57,700円分のストアクレジットがもらえるので実質10万円弱で買い替えできます。
キャリアでは端末を返却することで残りの支払い額を不要にできる端末購入サポートプログラムや期間限定の割引増額キャンペーンが実施中。auでは負担金122,800円〜と機種代金の半額以下で購入できます。
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