何が変わった?Galaxy Z Fold7とFold6の違いを比較
Yusuke Sakakura

Yusuke Sakakura
ブログメディア『携帯総合研究所』の創設者・運営者です。記事の執筆をはじめ、各キャリアやメーカーへの取材、素材の撮影も行なっています。システムエンジニアとしての経験を活かし、HTML・CSS・JavaScript・PHP・Pythonを用いたサイトデザインやテーマの構築を行っています。また、4キャリアの料金比較ができるシミュレーターの開発も担当しています。

Samsungが折りたたみスマートフォンGalaxy Z Foldシリーズの最新機種「Galaxy Z Fold7」を発表しました。
発売日は8月1日。Samsungオンラインショップでは、7月17日から予約受付がスタートします。
前作のGalaxy Z Fold6と比べて、どのように進化したのか、Sペン非対応のほかに何が変わったのか気になる方も多いのではないでしょうか。
本記事では、Galaxy Z Fold7とFold6の違いを徹底比較。買い替えを検討している方は、ぜひ参考にしてください。
スペック全比較:Galaxy Z Fold7 vs Fold6
Galaxy Z Fold7 | Galaxy Z Fold6 | |
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デザイン | ||
素材 |
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サイズ |
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重さ | 215 g | 239 g |
カバーディスプレイ |
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メインディスプレイ |
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カメラ |
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フロントカメラ |
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チップセット | Snapdragon 8 Elite for Galaxy | Snapdragon 8 Gen 3 for Galaxy |
メモリ | 12GB/16GB | 12GB |
バッテリー |
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ワイヤレス充電 |
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SIM |
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5G | Sub6・ミリ波 | Sub6・ミリ波 |
Wi-Fi |
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Bluetooth | 5.3 | 5.3 |
FeliCa | ◯ | ◯ |
防水・防じん | IP48 | IP48 |
USB | Type-C 3.2 | Type-C 3.2 |
セキュリティ |
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センサー |
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アップデート保証 |
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同梱品 |
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シリーズ最薄・最軽量の折りたたみボディに
折りたたみスマートフォンの課題は「厚さ」と「重さ」です。この2点がネックとなって、購入をためらったという声も少なくありません。
- タブレットクラスの画面サイズを半分に折りたたんで、ポケットに入れて持ち運べる
- 本体を閉じると厚く、重さは200gを大幅に超えるため、持ち運びにくく、快適に操作できない
Galaxy Z Fold7は、折りたたみスマホにとって重要なヒンジをゼロから再設計。これにより、シリーズ最薄・最軽量の厚さ4.2 mm・重さ215gを実現し、課題を劇的に改善しています。
正式発表前に実機に触れる機会がありましたが、厚みは通常のスマートフォンとほとんど変わらず、重さもGalaxy S25 Ultraと同等レベルになり、ついに普通のスマホとして使えうレベルに達したと感じました。
特に薄さの変化は目覚ましく、初代Foldから手にしている筆者にとっては感動すら覚える完成度です。
というのも、初代FoldからFold6までの6年間で達成した約29%の薄型化に対して、Fold7はたった1年で26%の薄型化を実現しています。つまり、過去6年分に匹敵する進化をこの1年で一気に達成したということです。
大きさ | 重さ | |
---|---|---|
Galaxy Z Fold7 |
|
215 g |
Galaxy Z Fold6 |
|
239 g |
Galaxy Z Fold5 |
|
253 g |
Galaxy Z Fold4 |
|
263 g |
Galaxy Z Fold3 |
|
271 g |
Galaxy Z Fold2 |
|
282 g |
Galaxy Z Fold |
|
276 g |
Fold史上最大のディスプレイ
本体内側のメインディスプレイは、Fold史上最大となる8インチに拡大しました。前モデルのFold6と比べて、画面サイズは11%の大型を果たしています。
映画やドラマ、スポーツなどの映像コンテンツを、より迫力ある大画面で楽しめるのはもちろん、複数のアプリを並べて表示したり、行き来しながら使うマルチタスクもさらに快適に。折りたたみスマホならではのメリットがより際立っています。

折りたたみスマホの魅力は、スマホサイズでタブレット並みのビッグディスプレイを持ち運べることですが、実際に使ってみると、本体外側のカバーディスプレイの使用時間の方が長いという声も多く聞かれます。
それだけに、カバーディスプレイの使い勝手はとても重要。
Galaxy Z Foldシリーズは、初代から幅狭なカバーディスプレイを採用してきましたが、文字入力しづらいこともあって最近は徐々にワイド化しています。そしてGalaxy Z Fold7では、ついに一般的なスマートフォントほぼ変わらない縦横比を実現。
これにより、本体を閉じた状態ではスマートフォンとして違和感なく使用が可能。さらに、本体を開けばコンパクトタブレットとして活用できるーー2in1デバイスへと進化しています。

Ultra級の2億画素カメラ
折りたたみスマートフォンは本体の薄型化と引き換えにカメラ性能が控えめになっています。
そんな中、Galaxy Z Fold7は“Ultra級”の名に相応しく、折りたたみスマートフォンとして初めてGalaxy S25 Ultraと同じ2億画素のカメラを搭載。これまでにない高精細な撮影を可能にしています。
2億画素で撮影した写真は拡大しても細部がつぶれないため、パキッとした画質になるのが特長。
例えば、構図をじっくり考える余裕がない場面でも、まずは2億画素で撮影しておけば、後から好きな箇所を切り取って“ベストな構図”に仕上げることもできます。
2億画素で撮影した写真は8インチのメインディスプレイとも相性が良く、高精細な写真をその場でじっくり確認・鑑賞できる点も魅力の1つです。
さらに、超広角カメラはマクロ撮影に対応しました。Fold6と比べて明るさも56%向上したことで、暗い場所でも細部までクリアに撮影できます。
Galaxyが得意とする夜間の動画撮影「ナイトグラフィ」は、次世代のProVisual Engineが暗い場所で発生しやすいノイズを正確に解析して除去。加えて10bit HDRにも対応したことで、Samsungいわく“比類なきナイトグラフィビデオ”が可能になっています。
最大の変化はセルフィです。
Galaxy Z Foldシリーズでは、メインディスプレイ側に画面内蔵のアンダーディスプレイカメラ(UDC)を搭載していましたが、最新モデルではUDCを廃止し、パンチホール型のフロントカメラへと変更されています。
画面の一体感という点では、一歩後退したようにも見えますが、代わりに搭載されたパンチホール型のフロントカメラは画素数が2.5倍となる10メガピクセルへと進化。さらに、視野角は80°から100°まで広がり、より多くの被写体や背景を自然に写すことができます。
パワーもUltraに、Snapdragon 8 Eliteを搭載
チップセットには、最新のSnapdragon 8 Elite for Galaxyを搭載。
前モデルのFold6に比較すると、日常的な動作を支えるCPU性能は38%向上。さらに、ゲーミングやグラフィック処理を担当するGPUは26%の高速化、AIを処理するNPUは41%も性能アップしています。
さらに、メモリの容量が最大12GBから16GBに増量(1TBのみ)されるなど、性能面でもUltra級へと進化を遂げています。
気になる電池持ちですが、バッテリー容量自体はFold6と同じ4,400mAhです。
それでもチップセットの高効率化により、電力消費が抑えられ、動画再生時間は従来の23時間から24時間へと1時間延長しています。
悲報。Sペン非対応に
Galaxy Z Foldシリーズは3世代目からSペンに対応しています。
折りたたみディスプレイならではの持ち運びの良さと、大画面を活用したデジタルノートとして好評でした。

折りたたみスマートフォンとSペンの相性は決して悪くはなかったものの、Sペンの書き味によってディスプレイのシワ問題が引き立ってしまうほか、本体にペンを収納できないなど、いくつかの課題も抱えていました。
そうした背景のもと、Galaxy Z Fold7はSペン非対応に。Samsungはその理由について「より多くのユーザーに応えるため」と説明しています。
言い換えれば、Sペン対応を維持することで得られるメリットよりも、Sペン非対応にすることで実現できる薄型・軽量化のメリットを優先したということでしょう。
実際、日本未発売のGalaxy Z Fold Special EditionもSペン非対応と引き換えに、Fold6に比べて12%もの薄型化を実現していました。Fold7も同様に、シリーズ最薄・最軽量という進化を追求するなかで、Sペンの搭載が見送られたと考えられます。
価格
Samsungオンラインショップにおける「Galaxy Z Fold7」の販売価格は265,750円〜に設定されています。
前モデルのFold6は249,800円〜だったので、15,950円の値上げに。また、1TBモデルは25,520円の値上げとなっており、ストレージ容量間の価格差が広がっています。ただし、1TBモデルはメモリ容量が12GBから16GBに増量されたことも影響しています。
オープン版の販売価格はかなり高額なため、購入のハードルはやや高め。ただし、端末の返却を前提に月々の負担を軽減できるキャリアの端末購入サポートプログラムや、期間限定のキャンペーンを活用すれば、より手ごろに入手することも可能です。
そのため、初期表を抑えたい方や買い替えを検討している形には、キャリア版の購入をおすすめします。
まとめ:Ultra級を詰め込んだ折りたたみスマホ
折りたたみスマートフォンをいち早く市場に投入したパイオニア、Samsung。今年のGalaxy Z Fold7は、シリーズ史上最薄・最軽量のボディに、Ultra級の2億画素カメラと最新チップセット「Snapdragon 8 Elite for Galaxy」を搭載し、他社を圧倒する完成度に仕上がっています。
発表時点で世界最速のAndroid 16ベースの独自インターフェースOne UI 8を搭載。進化したGalaxy AIにより、ワンタップで不要な被写体を消せるAI消しゴムや、AI編集前後の写真を左右に並べて見比べられる折りたたみならではの編集体験も可能になりました。
さらに、動画内の音声をAIが解析し、不要な音を抑えて重要な音を強調できるオーディオ消しゴムは、ギャラリーアプリだけでなく、ボイスレコーダーやSamsung Notes、通話録音にも対応。AI活用の幅もこれまで以上に広がっています。
「折りたたみ」と「AI」という、スマートフォンのトレンドを最前線で追いかけたい人にとって、Galaxy Z Fold7は最適な1台です。もし、今のスマホに飽きていたり、新しい体験ができる1台が欲しいと感じているなら買って後悔することはないでしょう。

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