Galaxy S25 Ultraレビュー:薄れる特別感と新たな魅力

Yusuke Sakakura

Yusuke Sakakura

Yusuke Sakakura

ブログメディア『携帯総合研究所』の創設者・運営者です。記事の執筆をはじめ、各キャリアやメーカーへの取材、素材の撮影も行なっています。システムエンジニアとしての経験を活かし、HTML・CSS・JavaScript・PHP・Pythonを用いたサイトデザインやテーマの構築を行っています。また、4キャリアの料金比較ができるシミュレーターの開発も担当しています。

2025/02/16 16:25
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Galaxy S25 Ultraレビュー:薄れる特別感と新たな魅力

2025年のスマートフォンも、AIがトレンドの中心になることは間違いありません。

生成AIツールの精度向上によって、これまで以上に便利になるだけでなく、AIが自律的に行動を提案・実行する“AIエージェント”による劇的な進化まで期待できます。

2月14日に発売されるGalaxy S25シリーズには、AIエージェントに対応した新世代のGalaxy AIが搭載されています。これが新しいGalaxyスマートフォンの最大の魅力です。

AIは学習に一定の期間が必要なため、約1週間という短いレビュー期間ですべてを評価することはできませんが、現時点ではまだ進化の途中にあるようです。

Galaxy AI:無料期間は年末で終了。有料の価値ある?

AIエージェントが導入された新世代のGalaxy AIでは、お気に入りのスポーツチームの試合日程を調べたいときに「今シーズンのレイカーズの試合日程をカレンダーに追加して」と依頼するだけで、ウェブから試合日程を検索し、カレンダーアプリに追加してくれます。

まだAIに誰も期待してなかった時代のスマートフォンでも、決まったアクションを自動化するタスクのオートメーションアプリは存在していました。しかし、AIが依頼内容を理解し、必要なアクションを自律的に特定して実行するという体験は、これまでにない新しいものです。

実際に使ってみると、追加される試合数がたった5試合であることを除けば(AIが学習しないのであれば、毎週同じ依頼を繰り返す必要があるかもしれません)、ストレスなく期待どおりに動作しました。

Geminiにレイカーズの試合日程をカレンダーに追加してもらうよう依頼する
むこう5試合のスケジュールを作成するか確認される
複数のアプリを操作する必要がある依頼もこなすことができる

さらに、気になる映画やライブのポスター、親子参加の保育園や学校のイベント情報が書かれたチラシをカメラで撮影して「このイベントをカレンダーに追加して」「〇〇にメッセージを送って」と依頼することも可能です。

AIによるアプリ間の連携は、GoogleとSamsungの標準アプリに加え、WhatsAppとSpotifyが対応済み。今後も対応アプリは拡大予定で、特にLINEのようなユーザー数の多いアプリが対応すれば、さらに便利になりそうです。

ホームボタンを長押しして画面内の調べたいものを丸で囲むだけで検索できる「かこって検索」では、画面上に表示された電話番号やメールアドレス、URLを自動的に識別して吹き出しを表示します。吹き出しをタップするだけで電話をかけたり、メールを送信したり、ウェブサイトにアクセスするなど、識別した修理に合わせて最適なアクションを表示します。

かこって検索 - 音符ボタンを押すと今いるカフェで流れている曲や視聴中の動画の音楽を特定できる
かこって検索 - AIが住所を識別してGoogleマップで確認できる吹き出しを表示する
「かこって検索」では流れている音楽の曲名などを調べたり、画面上に表示されている情報と関連のあるアプリ起動を提案

これらの機能はGalaxy AIの独自機能ではなく、Geminiによって実現される機能です。つまり、Google Pixelでも利用可能。将来的には、もっと多くのAndroidデバイスで利用できるかもしれません。

もちろんGalaxy AIの独自機能もあります。「Now Brief」もその1つですが、結果から言えばこれはイマイチでした。

Now Briefは、朝起きたときに天気予報やエナジースコア(運動に向けた準備が整っているか)、天気予報、ニュース、リマインダー、睡眠スコアを表示し、昼になるとイベントの目的地まで予定どおり着くように出発時間をリマインドしたり、現在地と目的地の天気やドライブ用の音楽のプレイリストを提案する機能です。

Now Brief - 昼間のレポート
Now Brief - 深夜のレポート
AIが秘書のように必要なことを教えてくれる「Now Brief」

夜には明日予定されているイベントや、まだ確認していない不在着信、その日撮影した写真や訪れた場所、次の日の天気予報、就寝前のマインドフルネスもおすすめしてくれる、、、はずですが、レビュー期間中で確認できたのは天気予報とイベントのリマインダー、YouTubeショートへのショートカットだけで、そもそもこの機能のどこにAIが活用されているのかわからないほどでした。

もしかすると、Now Briefが有用な情報を提案するまでに使用期間が足りなかったのかもしれません。

Galaxy AIは検索機能も強化しています。

ギャラリーアプリで検索ワードのように単語を並べるのではなく「イタリア旅行の写真を探して」や「子供が食事している写真を探して」といった会話のような言葉で目的の写真を検索できます。設定画面でも「テキストをより見やすくしたい」といった自然な言語で目的の設定変更が可能です。

ただし、肝心の解釈する能力が低いのか単語を入力した方が早いことがほとんど。まだまだ実用的ではなく進化が必要です。

自然な言語で検索
自然な言語で検索

一方でツールとしてのGalaxy AIは着実に進化しています。

背景に映った他人など、写真から邪魔なものを消すことができる生成編集では、Galaxy AIが邪魔なものを自動認識してまとめて選択してくれます。動画編集では、風の音など雑音をAIが認識して音量を抑えたり、欲しい音を強調できる「音声消しゴム」にも新たに対応しました。

生成AI編集が消したいはずの被写体を自動選択
生成AI編集で不要なものを除去する精度も向上した
生成AI編集が消したいはずの被写体を自動選択

Galaxy AIのAIエージェントは、生活を劇的に変化させることはなく、生活を快適にするようなものでもないというが正直な感想です。

Galaxy AIは2025年末まで無料で提供されると案内されているため、それ以降は有料で利用することになります。

料金と利用できる機能の数が異なる複数の有料プランが用意されるのか、いくつかの機能が無料で提供されるのかわかりません。ただし、あったらいいなという機能がほとんどで、必須とまで言える機能がないことから、毎月多くのお金を払って使用するほどのものではないと思います。

Samsungは、Galaxy AIのみを有料で提供するのではなく、GoogleのようにクラウドストレージとセットでGemini Advancedを提供するなど、販売方法には何らかの工夫が必要になるでしょう。

カメラ:4倍高画素な超広角カメラを新搭載。色合いはかなり自然に

カメラを強調する黒いレンズリングが追加されたカメラは、ワンタップで素早く画角を切り替えできます。

クアッドカメラ
  • 2億画素、広角カメラ
  • 50メガピクセル、超広角カメラ
  • 10メガピクセル、光学3倍 望遠カメラ
  • 50メガピクセル、光学5倍 望遠カメラ

新しくなったのは超広角カメラのみ。ほか3つのカメラはGalaxy S24 Ultraと同じです。

また、S23 Ultraと比べると10メガピクセル/光学10倍ズームの望遠カメラが、S22 Ultraと比べると1億800万画素の広角カメラがそれぞれアップグレードされています。

以下はGalaxy S25 Ultraで撮影した超広角から100倍ズームまでの作例です。

これまでのGalaxyスマートフォンはやや大袈裟に彩度を上げて盛りすぎなところがありましたが、今作は明るい時間帯で撮影する青空も、暗い時間帯で撮影する夜景もこれまでに比べてナチュラルに撮れます。Google Pixel 9 ProやiPhone 16 Pro、Galaxy S24 Ultraとのカメラ比較はこちらのカメラレポートからどうぞ。

レタスやトマトなど食材の色味を自然に再現。食材やフォークの質感も細かく描写されている
レタスやトマトなど食材の色味を自然に再現。食材やフォークの質感も細かく描写されている
超広角で逆光撮影。白飛びを抑えて花や建物の陰影が潰れず、広いダイナミックレンジで撮れる
超広角で逆光撮影。白飛びを抑えて花や建物の陰影が潰れず、広いダイナミックレンジで撮れる
超広角でも錆びた金属や剥がれているペイントも捉える優れたディテール
超広角でも錆びた金属や剥がれているペイントも捉える優れたディテール
高精細になった超広角レンズによるマクロ撮影。花びらや花粉の質感が鮮明に描写されている
5倍ズームで撮影暗い撮影環境でもノイズがほとんど目立たない。手前のランプにピントが合い、背景のランプが滑らかにボケる
マクロもズームもワンタップで切り替えて撮影できる
照明が限られた屋内で超広角撮影。ノイズを効果的に抑え、暗部のディテールもしっかり捉えている
照明が限られた屋内で超広角撮影。ノイズを効果的に抑え、暗部のディテールもしっかり捉えている
暗い路地を撮影。ノイズは目立たず、道路の質感もしっかり再現。優れたHDRでネオンの文字もクリアに読める
夜間でズーム撮影。夜空の暗い部分に目立ったノイズなし、過剰な彩度はなくリアルな色合い。夜間でも解像感高い
夜間でも目立ったノイズなく解像感の高い仕上がり
約3キロ離れた距離からみなとみらいを等倍で撮影
光学5倍ズームで撮影。望遠圧縮の効果でスマホ離れした撮影が可能。ビルや観覧車、のディテールをしっかり捉えている
左:等倍、右:5倍で撮影
30倍ズームで撮影。ソフト補正ならではののっぺりした仕上がりに
約3キロ離れた観覧車の時計を100倍ズームで撮影。等倍ではまったく視認できなかった時刻がはっきりと確認できる
左:30倍、右:100倍で撮影。等倍ではまったく視認できなかった観覧車の時計が100倍ズームではっきりと確認できる

カメラの使い勝手も向上。2倍ズームがワンタップで可能に、新しい動画ズームは全社採用すべき

写真も動画も画質は確かに改善されていて、他社スマホと比較しても画質は優れています。ただ、それよりも評価したいのはカメラアプリの使い勝手です。

例えば、シャッターボタンの上には、ズーム倍率の変更ボタンが並びますが、今回から2倍のボタンが追加されたことでワンタップで5つの画角(0.6倍/等倍/2倍/3倍/5倍/10倍)を切り替えることが可能になりました。

テーブルに置かれた料理など、手が届く範囲のものに寄りたいときに2倍は最適な倍率です。画角を制限して被写体をちょうど良く強調できるのも2倍です。利用頻度の高い倍率をワンタップで選べるようになりました。

新たに2倍のズームボタンが追加された
新たに2倍のズームボタンが追加された

もう1つは動画撮影に追加された新しいズーム操作です。

これまではズームエリアを左右にスライドし、iPhoneではダイヤルを回すようにズームできましたが、どれも1回の操作で目的の画角まで寄ることはできず、ズームが中断して数秒後にまたズームする必要がありました。

これを繰り返すと気持ち悪く酔いやすい映像になりますが、Galaxy S25 Ultraでは、デジタルカメラの加速付きズームのように、なめらかかつスムーズに被写体に寄ることができます。これはぜひ他社も真似して欲しい機能です。

肝心の画質も申し分なし。特にSamsungが“ナイトグラフィ”と特別な名前をつけてアピールする動画の夜間撮影では、強力にノイズを抑えてクリアな撮影が可能。黒の夜空を無理に持ち上げないため、東京タワーなどのランドマークを強調することができます。

Threadsで見る

デザイン:Ultra史上最薄・最軽量

今年もさらに薄型化が進み、ついにGalaxy S25 Ultraはシリーズ最薄になりました。ただ実際に手に取ってみると、Galaxy S24 Ultraとの違いはほとんど感じられません。

一方で、重さははっきりと違いを実感できました。

これまでのUltraシリーズは毎年のように重くなり、初代モデルに比べて約10gも増えていました。しかし、今作では一気に15gもの軽量化を実現し、Ultraシリーズ史上最軽量に。これは競合機種のiPhone 16 Pro Max(227g)やGoogle Pixel 9 Pro XL(221g)よりも軽く、長時間使用しても疲れにくくなっています。

Galaxy Ultraシリーズの大きさ
  • Galaxy S25 Ultra:162.8x77.6x8.2mm / 218g
  • Galaxy S24 Ultra:162.3x79x8.6mm / 233g
  • Galaxy S23 Ultra:163.4x78.1x8.9mm / 234g
  • Galaxy S22 Ultra:163.3x77.9x8.9mm / 229g
  • Galaxy S21 Ultra:165.1x75.6x8.9mm / 229g
  • Galaxy S20 Ultra:166.9x76x8.8mm / 222g

ベゼルもさらに薄くなり、よりスタリッシュに
ベゼルもさらに薄くなり、よりスタリッシュに
角が丸くなり深く握れるデザインに
角が丸くなり深く握れるデザインに。左がGalaxy S25 Ultra、右がGalaxy S24 Ultra
シリーズ最薄も大きな違いは感じられず。カーブフレームがストレートに変化したことで指がかかりづらくなった
シリーズ最薄も大きな違いは感じられず。カーブフレームがストレートに変化したことで指がかかりづらくなった

One UI 7:左右に分割された通知シェード

Galaxy S25 Ultraには、Android 15をベースとしたOne UI 7が搭載されています。

Android 15自体はマイナーアップデートですが、One UI 7ではいくつかの重要な変更が加えられています。

1つ目が通知シェードです。

これまでのOne UIでは、画面上部を下にスワイプするとクイック設定と通知が一体化されて表示されていました。しかし、One UI 7では、画面が分割され、左上からスワイプすると通知が表示され、右上からスワイプするとクイック設定が表示される仕様に変更されています。

この画面分割によって、通知とクイック設定のごちゃごちゃ感は解消されましたが、Galaxy S25 Ultraの巨大なディスプレイでは操作しづらいこともあります。

特に筆者のように左手で操作する場合、右上に指が届きにくくクイック設定の表示が難しく感じました。逆に右手操作の場合は、左上へのスワイプがしづらくなり、通知の確認に手間取ることがあります。

iPhoneライクな通知シェードに
iPhoneライクな通知シェードに

もうひとつの変更は地味ながら大きな変更です。

One UI 7では、Galaxyシリーズで長年親しまれてきたデフォルト通知音が変更されました。

個人的な感想として、これまでの通知音は連続的になるとやや耳障りに感じることがありました。しかし、新しい通知音はより落ち着きのある心地よいトーンに変更され、通知を受け取る際の不快感が軽減されています。

新機能として、ロック画面に最新情報を表示する「Now Bar」が追加されました。

Now Barにより、スマートフォンのロックを解除せずに、Now Briefのアラート確認に加えて、音楽やタイマーを操作できます。

この機能はiPhoneのライブアクティビティに似た機能で、例えば、Uber Eatsの配送状況やナビの案内情報などをリアルタイムに表示できます。

ただし、現時点では対応アプリが限定されているため、できることはそれほど多くありません。今後、より便利な機能として定着するには、対応アプリの拡大がカギになります。

Now Bar
Now Bar

Sペン:Bluetooth非対応で何が変わった?

今回からSペンがBluetooth非対応になりました。

ショートカット機能の「エアコマンド」や「Sペンを置き忘れた際に警告」は引き続き利用できますが、画面に触れることなくアプリを起動したり、Sペンをリモコン代わりに写真を撮影したり、スライドを操作できる「エアアクション」や「Sペンでロック解除」は利用できなくなっています。

筆者もエアコマンドはほとんど使ったことがありません。SAMMOBILEによると、SペンのBluetooth機能の利用者はたったの0.5%しかいなかったとのことで、機能削減は妥当な判断だったと思います。

Bluetooth非対応のSペン。エアコマンドは廃止、エアアクションは継続利用できます
Bluetooth非対応のSペン。エアコマンドは廃止、エアアクションは継続利用できます

Bluetooth非対応により、もはや特別なペンデバイスとは言えないかもしれませんが必要な機能は残っています。

ロック画面にサッとメモを取ったり、ノートアプリで手書きメモやイラストを描いたりするのはもちろん、検索ボックスなどのテキストフィールドに直接手書きで文字を入力してウェブ検索することも可能です。

ちなみに、この直接手書き入力機能を使うには、標準の「Samsungキーボード」の使用が必須だったときもありました。

しかし、Samsungキーボードはテンキーを非表示にできない、テンキー入力をオフにして「フリック入力のみ」にできないなど使いづらく、変換精度もイマイチです。

SペンのためにSamsungキーボードを使わなければならないのは正直苦痛でしたが、約1年前から「Gboard」でもSペンによる直接手書き入力に対応したことで、より快適に利用できるようになりました。Sペンユーザーにとってこれは大きな改善と評価できます。

チップセット:シリーズ最強・最速の実力は?

パフォーマンスを支えるチップセットには、Galaxy S25シリーズに最適化された「Snapdragon 8 Elite for Galaxy」を搭載しています。

Snapdragon 8シリーズは、毎年着実な性能向上を遂げており、8+ Gen 1 / 8 Gen 2以降は、深刻な発熱問題も確認されていません。

Snapdragon 8 Elite for Galaxyの性能を数値化したベンチマークスコアでは、AnTuTuが前作の180万からジャンプアップして200万を突破。

GPUの性能を測定する3D Mark Wild Life Extremeは4500から6000超えに向上し、CPUの性能を評価するGeekbench 6でもシングルスコアが2100から3000、マルチスコアが6700から9700と、いずれも大幅な進化を記録しています。

Galaxy S25 Ultra Galaxy S24 Ultra
チップセット Snapdragon Elite for Galaxy Snapdragon 8 Gen 3 for Galaxy
AnTuTu
  • AnTuTu
    • トータルスコア : 2155389
    • CPU : 557807
    • GPU : 848913
    • メモリ : 421401
    • UX : 327268
  • AnTuTu
    • トータルスコア : 1802620
    • CPU : 442611
    • GPU : 669063
    • メモリ : 384813
    • UX : 306133
Geekbench 6
  • Geekbench6
    • シングルスコア : 3068
    • マルチスコア : 9705
  • Geekbench6
    • シングルスコア : 2193
    • マルチスコア : 6771
3D Mark
  • Wild Life Extreme
    • スコア : 6288
    • フレームレート : 37fps
    • 電池増減 : -1%
    • 温度増減 : +3°C
    • フレームレート変化 : +26fps
  • Wild Life Extreme Steress Test
    • ベスト : 6367
    • ロー : 3189
    • 安定性 : 50%
    • 電池増減 : -9%
    • 温度増減 : +11°C
    • フレームレート変化 : +36fps
  • Wild Life Extreme
    • スコア : 4721
    • フレームレート : 28fps
    • 電池増減 : -0%
    • 温度増減 : +3°C
    • フレームレート変化 : +19fps
  • Wild Life Extreme Steress Test
    • ベスト : 4698
    • ロー : 2731
    • 安定性 : 58%
    • 電池増減 : -9%
    • 温度増減 : +10°C
    • フレームレート変化 : +23fps

ここまでの性能向上となると、気になるのは発熱と、発熱による性能低下の問題です。

3D Markのストレステストでは、目立った発熱の増加は確認されませんでした。また、セットアップ時に大量のアプリをダウンロードした際も、気になる発熱はなし。

一方で、デッドバイデイライトモバイルをオンラインプレイした際には、フレームから手に伝わる熱を感じました。

しかしこれは、冷却効率を高めるために40%大型化されたベイパーチャンバーと最適化されたサーマル・インターフェイス・マテリアルによる、放熱構造の進化がうまく機能している結果とも言えます。

40%大型化したベイパーチャンバー
40%大型化したベイパーチャンバー

いずれにしても、発熱によるパフォーマンス低下によって、操作遅延したり映像がカクつくなど、ストレスになる現象は確認できませんでした。

バッテリー:電池持ちは今もモンスター。MagSafeライクな充電に正式対応

電力効率が向上したSnapdragon 8 Elite for Galaxyと、Ultraシリーズ最薄のボディながら5,000mAhの大容量バッテリーの組み合わせにより、普段使いなら1日は余裕で持ちます。ライトな使い方であれば、2日目の昼まで持つときもありました。

ヘビーな使い方でも電池持ちは十分です。例えば、朝10時に充電器から外し、Googleマップでの乗換検索、600枚以上の写真や動画の撮影、撮影した写真と動画のSNS投稿をした日でも、バッテリーが切れそうになったのは18時30分すぎでした。

これはディスプレイの明るさ自動調整をオン、Always on Displayの表示タイミングを常に、リフレッシュレートは最大120GHzにカスタマイズした消費電力の高い状態による結果で、Galaxy S23 Ultraにて「モンスター」と表現した電池持ちは今も健在と評価できます。

最大45Wの高速充電に対応
最大45Wの高速充電に対応

大容量バッテリーは最大45W出力による高速充電が可能です。

最大67W出力に対応した「Anker Prime Wall Charger (67W, 3 ports, GaN)」で充電したところ、最初は40W出力で充電が始まり、30分後にはバッテリー残量が40%に到達。その後は出力が15-30Wに低下しましたが、充電開始から1時間後には95%にまで充電され、合計で1時間15分でフル充電になりました。

ただし、100Wを超える出力に対応し、約20分でフル充電が可能なスマートフォンも登場している現在、45W出力でフル充電に1時間以上かかるのは「高速充電」とは言えないかもしれません。

さらに、最大15W出力のワイヤレス充電にも対応しています。対応規格はQi2.1です。

Qi2に対応していますが、本体にマグネットは内蔵されていません。それでもQi2 Readyをサポートしているため、対応するマグネットケースを使用すれば、MagSafeのように位置ズレを防ぎ、効率的に充電できます。また、サードパーティからは背面にピタッと吸着する便利なウォレットケースなども販売されています。

これまでの機種でもマグネットケースは存在していましたが、実際に装着してみるまでマグネットの位置が正しいかどうかは確認できないのが難点で、レビューを細かく確認する必要がありました。しかし、Qi2 Readyに対応したことで安心してマグネットケースを選ぶことができます。

Qi2 Readyのマグネットケース
Qi2 Readyのマグネットケース
Samsung公式サイトで販売されているマグネットケース
  • Clear Magnet Case for Galaxy S25 Ultra:2,915円
  • React Series with Magnets for Galaxy S25 Ultra:3,410円
  • Capella for Galaxy S25 Ultra:4,345円

まとめ:Galaxy S22 Ultraからの買い替えがおすすめ

4.0
It's GOOOOD!!
  • これまでよりも自然に撮れるカメラ
  • 脅威的な電池持ち
  • 心地良い新しい通知音
  • 動画撮影時のスムーズな新しいズーム操作
  • 持ち心地が改善された新デザイン
TOUGH...
  • 購入理由にはならないAIエージェント
  • Ultraシリーズとしては寂しい充電性能

2020年に初登場したGalaxy Ultraシリーズは、まさにウルトラの名前にふさわしい特別なモデルでした。

しかし、現在では10万円を大きく下回るモデルでも、120Hzのリフレッシュレートや5000mAhのバッテリーを搭載しており、センサーの高画素化とAIの進化によってズーム撮影も飛躍的に向上しています。

追従された機能だけでなく、Galaxy Ultraにはない最短20分でフル充電にできる高速充電を備えたモデルも登場しています。そのため、初代モデルが放ったほどのインパクトが今はありません。

初代モデル Galaxy S20 Ultraの魅力
  • 1億800万画素の広角カメラ
  • ペリスコープ構造による光学4倍の望遠カメラ
  • 約384,400km離れた月も撮影できる最大100倍のスペースズーム
  • 6.9インチの巨大なディスプレイ
  • 120Hzのリフレッシュレートによるなめらかな映像表現
  • 5000mAhの大容量バッテリー
  • 12GBのメモリなど

Galaxy S25 Ultraも劇的な進化はなく、超広角カメラを除いてイメージセンサーは前モデルからの継続使用です。また、日本版のGalaxy S25 Ultraは、Galaxy S25と同じ12GBのメモリを搭載しています。高度なオンデバイスAIを実行するために、大容量のメモリが必要であることを考えると12GBは寂しい容量です。

Galaxy S22 Ultra以前のモデルを使用していて、数年ぶりの買い替えを検討している場合は、Galaxy S25 Ultraは候補に入れるべきモデルです。

前モデルと比べると、カメラのハードウェアの進化は限定的ですが、AIを活用した補正は着実に進化しています。

Galaxyスマートフォン特有の過度な彩度もナチュラルになり、多く人が受け入れやすい色合いになっています。写真も動画も、これ以上のクオリティを持つスマホカメラを見つけるのは簡単ではありません。特にS22 Ultra以前のモデルからの買い換えであれば、大幅な進化を実感できるはずです。

Galaxy S25 Ultraで撮影Galaxy S24 Ultraで撮影
Galaxy S25 Ultra(左)のカメラはHDRの違和感が薄れて落ち着いた彩度に変化。S24 Ultra(右)よりも自然な色合いに

AIエージェントに対応した新世代のGalaxy AIは新たな魅力です。

Geminiによるアプリ間の連携機能は、Galaxy AIというよりもGeminiの機能ですが確かに便利です。今後、AIがより多くの依頼を正確に解釈できるようになり、対応アプリが拡大すれば、さらに便利になるでしょう。

6.9インチの巨大なディスプレイを保護する強化ガラスGorilla Armorシリーズも、Galaxy Ultraの新たな魅力です。

最新の「Gorilla Armor 2」は、約2.2メートルの高さからコンクリートへの落下にも耐える強度を誇り、競合製品と比べて4倍の対傷性を備えています。さらに、前世代でも好評だった反射防止機能によって、日差しの強い屋外でも地図を見たり、動画を視聴するのも快適です。

おそらくGalaxy S24 Ultraと同様に、Gorilla Armor 2もGalaxy S25 Ultraの独占搭載になる可能性が高そうです。

さらに、Galaxy S25シリーズに最適化された最新チップは魅力的なパフォーマンスを実現しています。おそらく今作でもGalaxy以外に最適化されることはないでしょう。

いつの時代も買い替え理由の上位に挙がるバッテリー性能はモンスター級で、電池持ちは申し分なし。さらに、OSは7世代、セキュリティは7年間のアップデート提供が保証されており、スマホを安全かつ長期間使用するためのサポートも万全です。

個人的にGalaxy S23 UltraやGalaxy S24 Ultraから無理に買い換える必要はないと思いますが、魅力的なキャンペーンや下取りが実施されていて少ない負担金で買い替えできるのであれば検討するのもありです。機種代金や負担金、キャンペーンはこちらの記事でまとめています。

Galaxy S25 Ultra
Galaxy S25 Ultra¥ 199,800まるで人のように提案、実行する新次元AI「AIエージェント」を新搭載。お気に入りのサッカーチームの試合予定もGalaxy AIに依頼するだけでウェブ検索してカレンダーに追加します。朝は当日の予定、天気予報、最新のニュースを、夜は明日の予定や不在着信を確認するよう促す「Now Brief」も。カメラは新たに50MPの超広角カメラを搭載、プロセッサは最新・最強のSnapdragon 8 Elite for Galaxyを採用し、高負荷ゲームも快適にプレ...
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