SHARGE Retractable 3-in-1レビュー:見た目全振り?巻取りケーブル内蔵のモバイルバッテリー+ACプラグ付き充電器
Yusuke Sakakura
Yusuke Sakakura
ブログメディア『携帯総合研究所』の創設者・運営者です。記事の執筆をはじめ、各キャリアやメーカーへの取材、素材の撮影も行なっています。システムエンジニアとしての経験を活かし、HTML・CSS・JavaScript・PHP・Pythonを用いたサイトデザインやテーマの構築を行っています。また、4キャリアの料金比較ができるシミュレーターの開発も担当しています。

モバイルバッテリーは、どこからどうみても「ザ・モバイルバッテリー」な見た目のものがほとんどで、デザインに振り切った製品はほとんどありません。
とはいえ「毎日カバンに入れて持ち歩くものだから、見た目にもこだわりたい」という人もいるはず。そんな人に向けて今回紹介するのが、SHARGEの「Retractable 3-in-1」です。
10,000mAhのモバイルバッテリー、便利な巻取り式ケーブル、最大30W出力のUSB充電器という3つの機能を1台にまとめた3-in-1の充電デバイス。そのうえで、最大の特長は“ビジュアル”です。
SHARGE
デザイン
本体上部はスケルトン仕様で、中にはターンテーブルのようなブロックが配置されています。パッと見はモバイルバッテリーというより、小型のレコードプレーヤーといった印象です。


このターンテーブルからは巻取り式のUSB-Cケーブルが伸びます。
ケーブルの長さは60cm。デスクの上に本体を置き、スマホを手元で操作するにはちょうど良い長さですが、バッグやポケットに本体を入れたまま使うにはやや短めです。
巻取り式ケーブルは、どうしても耐久性が気になりますが、メーカーによれば30,000回の巻き取りテストをクリアしているとのこと。もし、巻取り式ケーブルが断線するなどして、使えなくなっても側面のUSB-Cポートから充電できます。

最初に手に取ったときに感じたのはずっしりした重さと大きさでした。
3-in-1タイプの競合製品とサイズを比べると、縦横のサイズはほぼ同等ですが、厚さが目立ち、約50gも重く、実際に手に取ってもずっしりとしています。
- 重さ:297g
- 大きさ:110.0x52.0x40.1mm
- 重さ:248g
- 大きさ:107.9x51.0x31.0mm
充電性能:単ポート・同時最大30W出力
巻取り式のUSB-Cケーブルと側面のUSB-Cポートは、どちらも最大30W出力に対応。2台同時に充電する場合は、それぞれ最大15Wずつ、合計30W出力です。
USB充電器としてコンセントに挿して使うときも、モバイルバッテリーとしてケーブルでスマホを充電するときも、基本的な出力仕様が変わらないのはわかりやすくて良いポイントです。
- 単ポート利用時
- USB-Cポート/ケーブル:5V⎓3A、9V⎓3A、10V⎓2.25A、12V⎓2.5A、15V⎓2A、20V⎓1.5A
- 2ポート利用時
- USB-Cポート+USB-Cケーブル:5V⎓3A
実際に巻取り式のケーブルでGoogle Pixel 10を充電してみたところ、出力は20W前後で推移し、30分で46%まで回復。そのまま約2時間でフル充電になりました。
フルスピードではないものの、急速充電としては十分実用的なレベルです。
ちなみに、Pixel 10は最大30W出力・PPSに対応していますが、SHARGE Retractable 3-in-1の仕様にはPPSの記載がありません(対応の有無は不明)

パススルー充電:デバイス優先型
バッテリー容量は10,000mAhです。
最近のスマートフォンはバッテリー容量が4,000〜5,000mAh前後のものが多いため、変換ロスを踏まえても「1回フル充電+α」程度は期待できるクラスです。

本体の充電方法は3通りあります。
折りたたみ式のプラグをコンセントに挿して直接充電するほか、内蔵のUSB-Cケーブル経由、側面のUSB-Cポート経由(いずれも最大20W入力)でも充電が可能です。
就寝前など「モバイルバッテリーもスマホもまとめて充電しておきたい」というシーンでは、パススルー充電の挙動が気になります。
パススルー充電は一般的に「本体と接続デバイスを同時充電できる機能」と紹介されますが、実際の挙動は製品によってさまざまです。接続しているデバイスの充電を優先してから本体を充電するものもあれば、両方を同時に充電するものもあります。
筆者の環境では、“デバイス優先型”のパススルー充電を確認しています。
まず接続したPixel 10 Proの充電がスタートし、80%に到達したあたりでようやく本体バッテリーの充電が開始。
Pixel 10 Proの充電完了する1時間30分後には、本体バッテリーの残量が35%に到達していました。
安全性:2,000回の温度計測、PSE認証取得済み
ここ数年、モバイルバッテリー選びで最も重視すべきなのが安全性です。
一般的には、本体内部の温度を頻繁に監視し、温度に応じて出力を制御することで、安全性と性能を両立させます。
SHARGE Retractable 3-in-1は、1秒あたり2,000回という高頻度で温度をモニタリング。半導体素材には発熱を抑えやすいGaN(窒化ガリウム)を採用し、発熱と効率のバランスを取っています。
バッテリーセルには、自動車向けバッテリーと同等クラスとされる高品質セルを採用することで、信頼性と寿命の両方を高めているとのこと。
また、日本国内で安全性を確認しやすい指標であるPSE認証も取得済みです。火災や感電といった事故のリスクを一定の基準で抑えている製品として、ひとつの安心材料になります。
回収:2026年4月以降はリサイクルが義務化
モバイルバッテリーは消耗品です。繰り返し充電による劣化や、落下などによる内部損傷を考えると、いずれは買い替えが必要になります。
ただし、使わなくなったモバイルバッテリーを不燃ごみや粗大ごみとして集積場所に出すことは、多くの自治体で禁止されています。基本的には販売店や回収協力店に持ち込む必要があります。
家電量販店やホームセンターなどには回収ボックスが設置されていることがありますが、投函できるのはJBRC会員企業の製品のみ。2025年11月時点では、SHARGEはJBRCの会員リストに掲載されていません。
メーカー独自の回収スキームも用意されていないようで、現状では廃棄の際にユーザー側の手間がそれなりにかかります。処分するときは、各自治体の案内に従って適切な方法で廃棄する必要があります。
一方で、2026年4月に施行される改正資源有効利用促進法によって、モバイルバッテリーについてはメーカーや輸入販売事業者にリサイクルと自主回収が義務付けられる予定です。
SHARGE Retractable 3-in-1を使い切って買い替えるタイミングでは、スムーズに回収・リサイクルできる環境が整っているはずです。
まとめ:見た目に振り切りつつ、実用性も外さない3-in-1

SHARGE Retractable 3-in-1は、つい持ち歩きたくなる魅力的な見た目と、3つの機能(モバイルバッテリー/USB充電器/巻取り式ケーブル)を1台にまとめた利便性を両立した充電デバイスです。
レコードプレーヤー風のユニークな見た目やドットマトリクスの残量表示、良い意味でガジェットらしくない見た目で、持ち歩いていると「え?それ何?」と話しかけられて会話のきっかけにもなるはずです。
また、スマートフォン、タブレット、ワイヤレスイヤホン、MacBook AirのようなライトなノートPCまでカバーする充電性能も備えています。
- 最大30W出力の巻取り式ケーブルとUSB-Cポート
- Google Pixel 10を30分で46%まで急速充電
- 1秒あたり2,000回の温度監視と GaN採用の安全設計。発熱も気にならず
- デバイス優先のパススルー挙動。寝ている間に忘れず充電
モバイルバッテリーに“見た目”を求めたい、ケーブルを持ち歩きたくない、スマホやイヤホンを1台でまとめて充電したい、デスク上に置いても絵になるモバイルバッテリーが欲しいという人におすすめです。
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