Nothing Phone (3a) フォトレビュー
Yusuke Sakakura

Yusuke Sakakura
ブログメディア『携帯総合研究所』の創設者・運営者です。記事の執筆をはじめ、各キャリアやメーカーへの取材、素材の撮影も行なっています。システムエンジニアとしての経験を活かし、HTML・CSS・JavaScript・PHP・Pythonを用いたサイトデザインやテーマの構築を行っています。また、4キャリアの料金比較ができるシミュレーターの開発も担当しています。

2025年春、Nothing Japanが最新スマートフォン「Nothing Phone (3a)」の日本発売を正式に発表しました。価格は54,800円で、国内キャリアでは楽天モバイルが取り扱います。
8日に開催されたイベント「NOTHING SPRING UPDATE」では実機の展示も行われ、じっくり触れることができました。この記事では、その体験をもとに、デザインや使い勝手、注目ポイントをフォトレビューで紹介します。
スケルトンデザイン継承、楽天モバイル限定のブルーカラー
Phone (3a)はスケルトンデザインを受け継ぎながら、背面カバーの素材がポリカーボネートからガラスに変更されています。
質感は大きく変わらないものの、にじみ(油膜のような模様)がなくなり、指紋や皮脂による汚れもサッと拭き取れるように。防水・防じん性能もIP64等級にアップグレードされました。

Nothing Aシリーズならではの特徴的なカメラユニット。Nothingいわく、最も苦労したのはトリプルカメラをいかにNothingのデザインに溶け込ませるかだったそうです。
モチーフは明かされていませんが、日本の伝統的なデザインや工芸品、現代によく使われるポップなタイポグラフィから着想を得たとのこと。
カラーバリエーション定番のホワイト、ブラック、そして楽天モバイル限定のブルー。限定カラーは他の2色よりもやや価格が高く設定されています。

Phone (3a)を国内キャリアとして初めて取り扱う楽天モバイルは、公式サイトに加え、全国100店舗でも販売。限定カラーのブルーは発売日の4月15日から店頭展示が始まります。
トリプルカメラで見た目も画質も向上
背面には3つのカメラを横一列に並べたトリプル構成を採用。レンズの数が増えたことで、見た目のバランスもより洗練されました。
新たに加わった望遠カメラは、遠くもくっきり撮影できる光学2倍ズームと4倍のロスレスズームに対応。デジタルズームと組み合わせることで、最大30倍のウルトラズームも可能に。
マクロモードには対応していないものの、最短25cmまでピントを合わせられる“ほぼマクロ”機能も備え、料理の撮影にも活躍します。

メインカメラはSamsungと共同開発されたもので、イメージセンサーのベースはPhone (2a)と同じですが、同じサイズの他のセンサーと比べてフルウェル容量(光を貯められる最大量)が50%も多く、暗所でも明るくノイズの少ない撮影が可能です。シーン認識では、AIをフル活用することで、何百万ものシーンの中から最適な設定が選択されます。
動画撮影は4K対応、光学式と電子式の手ぶれ補正を組み合わせることで、高精細かつ安定した映像が撮影できます。
また、いつでも自分好みの写真が撮影できるプリセット機能や、ウルトラXDR、進化したコンピュテーショナルフォトグラフィなど、使い勝手と画質の両面で進化しています。

これまでのNothing Phoneシリーズのカメラは価格相応という印象でしたが、今回はNothing自身もかなりの自信をのぞかせているため、期待が高まります。後日公開予定のフルレビューでは、Phone (2a)との比較を交えて画質を検証する予定です。
Nothing史上最大のディスプレイ、片手操作は?

ディスプレイはシリーズ最大の6.77インチ。片手では対角のエリアに指が届かず、片手操作にはやや制限がありますが、ゲームや動画を快適に楽しむことができます。
画面の明るさは通常で最大800ニト、直射日光下では最大1,300ニトまで自動でブーストされ、屋外でも視認性を確保できます。展示スペースは屋内だったので、実機が届き次第、日差しの下での見え方も確認してフルレビューでお伝えします。
AIを活用して第2の記憶スペースに、Essential Spaceでメモを一括管理
Phone (3a)には、Nothing独自のAI機能「Essential Space」が搭載されています。Nothingではこれを“第2の記憶のようなもの”と表現しています。
スマホでメモを取る手段は、テキストやカメラ、スクショ、音声入力してなどさまざまですが、情報があちこちに散らばってしまい、あとから探すのが大変ということも少なくありません。
Essential Spaceは、そうしたメモをひとつにまとめて管理し、あとから簡単に検索できるようにするアプリです。

たとえば、街中で気になるイベントのポスターを見つけたら、カメラを起動して右側面の「Essential Key」を押すだけで、情報がEssential Spaceに保存されます。
ネットショッピング中に気になる商品を見つけたときも、キーを押すだけでスクショと共に“第2の記憶”に保存することが可能。長押しすれば、音声でメモを取ることもできます。
残念ながら今回の展示スペースでは、保存されたメモを確認することはできませんでした。こちらも可能であればフルレビューで使用感をお伝えします。
OSはAndroid 15をベースにしたNothing OS 3.1を搭載。発売から6年間のセキュリティアップデートと、3年間のAndroid OSアップデートが保証されているため、長く安心して使えます。
今作は初めてeSIMにも対応。おサイフケータイも引き続き利用できます。

まとめ:Nothing Phone (3a)は“独自体験”で差がつく1台
Nothing Phone (3a)は、デザインやパフォーマンス、コスト、カメラ、そしてAIに至るまで、あらゆる面で進化を遂げた1台です。
さらに、スケルトンデザインやGlyphインターフェース、Essential Spaceなど、ほかのスマートフォンにはない独自の体験を備え、個性が際立つオールラウンダーに仕上がっています。
このNothing Phone (3a)の発売により、2025年春のミッドレンジスマホ市場は、これまで以上に激しい競争が繰り広げられそうです。
発売日は4月15日。すでに予約受付が始まっています。また、楽天モバイルでは、のりかえでRakuten最強プランに初めて加入すると、2万円分の楽天ポイントが還元されるキャンペーンも実施中です。
どれを選ぶか迷う今春、Nothing Phone (3a)は有力候補のひとつになりそうです。

コメントを残す